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年末年始は、「肌老化」が進むシーズン。若々しさを保つために、食べるスピードをコントロールしよう。

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特にアラフィフは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■新年を迎えるのは神頼みだけではダメ。健康戦略が必要。

「いい年になりますように」

新しい年が始まる。振り返ると、コロナ、戦争、物価高騰、円安と、一波が万波を引き起こすバタフライ・エフェクトが私達の生活も揺り動かした年だった。初詣では誰しもが手を合わせるのではないだろうか。新しい年こそは「いい年になりますように」と。

いい年にするには、神頼みだけではなく、私達自身にも、それ相応の準備が必要だ。気をつけなくてはならないのが年末年始の食事だ。飛躍の年を願うのに、自分が不健康になり老け込んでしまっていては、話にならない。今回は、健康を維持し、若々しい肌をキープするための年末年始の食事方法を提案したい。

■年末年始は「肌老化が進む」シーズン

年末年始の食事というと、おせちにばかりに目が奪われがちだ。しかし、それに至るまでに、クリスマスがあり、忘年会があった。当然、こってり濃厚な料理にお酒が進んだはずだ。

血管の中では、何がおこっているのか想像してほしい。大量の炭水化物が流れ込み、血糖値があがった。処理しきれない血糖値は、中性脂肪になり蓄えられた。中性脂肪は、悪玉コレステロールを増やす。血管の中は、ドロドロだ。

一段落したところに、おせちがやってくる。おせちは、豆や数の子など健康を願う食材が多い。しかし、基本的には甘い味付けが多く糖質は過剰になり、お酒が進む。加えてお正月に欠かせないのはお餅に年越しそばだ。食べないわけには行かないが、糖質の塊だ。

糖値が上がることで問題なのは、体だけではなく、肌の老化も加速する点だ。様々な研究で血糖値が上がりやすい食事をしている人ほど肌で炎症が起きて吹き出物が出やすく(Am J Nutr.;83,1161-1169.2006)肌老化を進行させることが分かっている(AGE;35,189-65.2013)。

私は、新卒から10年間、医療介護サービスで仕事をしてきた。高齢者で、糖尿病を患っている人は、顔を見ると一発でわかった。実年齢以上に「老けて」見えるからだ。逆に実年齢が若い高齢者もいる。その人達の特徴は、食事の中で、野菜と肉や魚などのたんぱく質の摂取量が多く、炭水化物の摂取量が少ないことであった。

『人は見た目が9割』という言葉がある。目から脳に入る情報量は8割を超えると言われる。当然、実年齢よりも老けて見られる人と仕事をするのか、若く見られる人と仕事をするのかでは、選ぶ方も、選ばれる方も差が出てくる。見た目年齢が若々しいことは仕事にもインパクトを与えるのだ。

「原因があって、結果がある」のであれば、糖質が過剰な生活は見直す必要がある。加えて、今までの糖質過多生活をさらに加速させる年末年始の食生活には工夫が必要になってくる。

■血糖値という暴れ馬を、飼いならす食べ方

糖質を全くもって敵視する必要はない。糖質は、体を動かし疲労回復を促すもっとも効率的なエネルギーの源だ。悪いのは、血液の中に過剰になることと、血管の中で血糖値が暴れ馬のように乱高下することだ。

普段、我々は、時間に追われ流し込むように食事をしている。この習慣がついてしまっているため、ついつい食べるスピードが早くなっているのだ。実は、この食べるスピードが問題。体内に糖質が枯渇した状態にナイアガラの滝のように大量の糖質が一気に流れ込んでくる。このため、血液の中には糖質が過剰になる。サラサラの小川がドロドロのヘドロのようになる。これを処理しようとしてインスリン・ホルモンが必要以上に大量に放出される。するとインスリンが過剰になり血糖値を極端に下げてしまう。するとまた、血糖値をあげようとして食事を流し込んでしまう。短期間のうちに、血糖値が上がったり下がったりする乱高下が血管の中を傷つける。金平糖のような糖質が血管の中に細かい傷をつけながらピンボールのように乱反射している様子を想像してみよう。体のあらゆる場所を炎症させ結果として見た目年齢を老けさせる。

では、この糖質という暴れ馬を飼いならすにはどうすればよいのか?できることは種々あるが、ここでは「食べるスピード」についての提案だ。まず、結論から。食事をする際に2つのことを実行しよう。1つは、一口ごとに箸を置くこと。2つ目は、一口ごとに、右で10回、左で10回、全体で10回。合計30回の咀嚼すること。この2点だ。

この食べ方によってこれによって口に運んだ食材が唾液としっかりと混ざり合って血糖値の急上昇を抑えてくれる。また、咀嚼回数を増やすことで満腹中枢を刺激しドカ食いを防ぐことにつながる。

食べる時は、ハムスターのように次から次へと食事を口に運ぶのではなく一口食べたら、箸を置く。を実行しよう。血糖値という暴れ馬は、ロバのように大人しくなるだろう。

■若々しさの源は、何をどのように食べるか

私は介護サービスの仕事を終えた後に、香港で2年間ミシュランに掲載された日本食レストランの経営者をしていたことがある。香港で一番大きな金融ビルの眼の前の立地だったこともありいわゆるグローバルエリート達がよく使ってくれた。彼らは、食事の内容にも、食事の取り方にも気を使っていた。男性も女性も見た目も若々しく、実際にエネルギッシュだった。厳しいビジネス社会で結果を出していくには、結局のところ健康が資本であり、その資本は、毎日のメンテナンスが必要ということを知っているのだ。

2023年の干支は、「卯(うさぎ)」だ。ぴょんと飛躍して成長スピードを上げるためにも、年末年始の、食べるスピードを下げることから始めてみよう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

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■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩

https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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