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受験に勝つ!合格をする受験生は何を食べているのか?

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特に40代からは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■受験本番で実力を発揮できる受験生は何が違うのか?

先週の日曜日に、太宰府天満宮にお参りに行ってきた。言うまでもなく、太宰府天満宮は学問の神様、菅原道真公を祀っている。コロナやインフルエンザが増えているにも関わらず、参拝客は多くは受験生とその保護者だ。それぞれが、おみくじの結果に一喜一憂し、願いを絵馬にしたためていた。ずらりと並んだ絵馬を見ると、そのほとんどが「希望する学校に合格しますように」というものだ。

受験で人生すべてが決定されるわけではない。ただ、人生は選択の連続であることを踏まえると、大きな影響を与えることは間違いない。1%でも合格率を上げたいというのは、受験生の願いでもあり、保護者の願いでもある。

私は、去年、受験生をもつ保護者向けに、『親子で始め健康習慣、「本番力」で受験に勝つ!』という本を上梓した。家庭の生活習慣が合格率を決めるという視点から切り込んだ本は今までになく、アマゾンの受験部門でも4部門で1位を獲得となった。この本は、全国各地の学習塾の塾長や、カリスマ講師、受験に合格をしたご家庭にインタビューを繰り返したものをまとめたものだ。

ここでわかったことは、夜はエナジードリンクで深夜まで勉強する、朝ごはんを食べないなど、「健康を犠牲にして、勉強している受験生」は本番で力を発揮できていない。結果、望む未来を得られていないということだ。逆に、夜は早めに寝る。朝は家族とご飯を食べるといった、基本のリズムを大切にしている家庭の子供は、受験本番もメンタルが安定し、体力も安定しているので、実力を発揮しているのだ。そして志望校に合格している率が高かった。

私は、「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」をテーマに企業や行政で講師の仕事をしている。ここでも健康を後回しにしているサラリーマンタイプと、健康マネジメントをして仕事の成果を上げているビジネスマンタイプの2タイプを見てきた。健康マネジメントを大切しているか否かでパフォーマンスが変わる。

この公式は、受験生にも当てはまるのだ。ただ、受験生の周りには、誘惑が多い。塾に行く前にコンビニで食べるカップラーメン、砂糖たっぷりのエナジードリンク、夜の勉強のスナック菓子。十代の子どもたちが自分を律することはなかなか難しい。そこで、家庭の生活習慣が重要になる。多種多様、整えることがあるが、今回は朝の食事1点に絞り、理由をご紹介する。

■朝食にたんぱく質が入っているか?

「時間栄養学」という学問をご存知だろうか。端的に言えば、「いつ、何を食べると、よりパフォーマンスが高まるか」という時間に着目した学問である。興味深いのは、朝食が与える人生への影響だ。

まず、朝食を食べている群と、食べていない群を比較すると、学力、体力の両面で、朝食を食べている群が良い成績になる。次に、朝食を食べている群の中でも、パンとコーヒーのような「炭水化物」だけの群と、パンと目玉焼きのような「炭水化物とたんぱく質」を摂取している群を比較すると、「炭水化物とたんぱく質」を摂取している群のほうが、受験での合格率、また社会人になっての年収が格段に高くなる。なぜなのか?様々な要因があるが、ここでは、「受験生の合格率を高める」という視点で理由を解説する。

■1)カラダとココロのスイッチをONにするたんぱく質

受験生は、活力を持って学業にあたり、夜間は質の良い休息をとることが必要だ。このONとOFFの切り替えを担っているのが自律神経だ。

ただこの自律神経は、様々なストレスによって乱れてしまう。私事だが、私は、小学生から中学2年生まで父親の仕事の関係でイタリアに住んでいた。高校受験のために中学3年生で帰国した、いわゆる帰国子女だ。当然だが、勉強についていけない。自由だった私服から、画一的な真っ黒な制服にも馴染めない。人間関係もうまく作れない。それでも迫りくる受験日。私はストレスが重層的に重なり、夜は眠れなくなり、昼はぼーっとし、集中力が極度に低下。まさに、自律神経が乱れた状態。そして、中学生にして胃潰瘍に。自分では生活リズムを立て直すことは難しく、最終的には親が寄り添って、生活リズムを整えてくれた。結果、本来の自分らしさを取り戻し、高校受験も都立国際高校に無事に合格することができた。

受験はストレスが重なるシーズンだ。だからこそ、親が「意図的に」家庭内の生活リズムを整えていくことが重要だ。そして、この自律神経を整えるには、朝の「炭水化物とたんぱく質」が欠かせない。仮に、朝食をそもそも食べていない。もしくは食べていたとしても、トーストだけ、のような状態であれば、牛乳やヨーグルト、目玉焼きなどのたんぱく質を加えることを意識しよう。

■2)免疫を強くする、たんぱく質

受験生は、受験本番で、絶対にコロナはもちろん、風邪を引くわけにはいかない。コロナではなかったとしても、熱があり、咳き込んでいる時点で試験会場に入れなくなってしまう。野球選手であれば、バッターボックスはおろか、球場にすら入れなくなってしまう時代だ。気合と根性であどうにもならないのだ。

コロナ禍で免疫に注目が集まっているが、多くの研究から、免疫を働かせるために摂るべき栄養の第1はたんぱく質ということが分かってきた。たんぱく質をしっかり摂っている人は新型コロナウイルスに感染しにくく、感染しても重症化しにくい。

なぜなら、免疫のバリアはいずれもたんぱく質でできているからだ。免疫バリアは進撃の巨人の壁のごとく、3つある。1つは、皮膚や粘膜、粘液による「物理的なバリア」。第2は生物にそもそも備わっている「自然免疫」。第3が一度出会ったことがあるウィルスなどに対して感染を防ぐ「獲得免疫」。このいずれの免疫バリアを作る上で、「たんぱく質」が欠かせない。

受験生の生活を見ると、1日を通して最もたんぱく質が少ない食事は、朝、昼、晩の中では、圧倒的に「朝」だ。朝、たんぱく質を取り入れないということは、ウィルスに対してのバリアの壁が脆い状態で1日を過ごすということにほかならないのだ。

■3)夜の睡眠の質を高める、たんぱく質

受験日が近くなると、緊張やあせりが重なり夜、不眠になりがちだ。しかし、寝不足で新記録をだしたアスリートを聞いたことがないように、寝不足で受験本番に集中力を発揮することは絶対にできない。では、質の良い睡眠を取るには、どうすればよいのか。実は、ここにも、たんぱく質が欠かせない。

良質な睡眠に欠かせない、睡眠ホルモン・メラトニンを出すにはまず、その原料が必要になる。その原料こそが、たんぱく質なのだ。たんぱく質に含まれる、トリプトファンという必須アミノ酸が、セロトニンというホルモンのもとになる。そして、セロトニンは代謝されて、睡眠ホルモンのメラトニンに生合成される。つまり、睡眠直前に、たんぱく質をとっても、代謝は間に合わない。朝しっかりたんぱく質を取ることが、夜ぐっすり眠るための鍵なのだ。

■オススメの朝食は?

受験生にとって、朝食にたんぱく質をとりいれることの重要性は納得頂けただろうか。では、朝ごはんに、何を食べればよいのか。理想的なのは、卵かけご飯とお豆腐の味噌汁だ。あまりにもありふれた朝食で拍子抜けしてしまったかもしれない。しかし、この典型的な和食にこそが受験生の強い味方になるのだ。

まず、卵は「食材の戦闘力」のインジケーターであるアミノスコアが100。たんぱく質をリッチに含む、完全栄養食品だ。しかも、黄身にはブレインフードとしてアメリカでは必須栄養素として指定されているコリンも含む。さらに、味噌汁には、大豆由来の植物性のたんぱく質をリッチにとりいれることができる。大豆にはたんぱく質以外にも、イソフラボンという抗酸化成分を含む。脳の細胞の酸化や、炎症から守ってくれる守護神のような栄養素だ。

ただ、どうしても、朝ごはんが朝から入らない、というケースもあるだろう。その時は、グラノーラのようなシリアルに牛乳をかけて食べてもいい。また、それすら時間がない、喉を通らないという時には、ソイ・プロテインでもいい。とにかく、「朝のたんぱく質がゼロ」という状態だけは、絶対に避けよう。本番力という戦闘力を低下させてしまうからだ。朝のたんぱく質があなたの子供に見えないバリアをまとわせ、本来の持っている力を存分に発揮させる魔法の栄養素なのだと心得よう。

■自分の人生を切り開く、健康マネジメント

どの時代においても、100%のコンディションで受験を迎えられた受験生は、少ないだろう。しかし、いまの時代の受験生は、自分でコントロールが及ばない環境の荒波によって翻弄されている世代だ。しかし、それでも、言い訳ができないのが受験だ。

この中で、1%も合格率をあげるには第一に「気力」。第二に「学力」。そして、第三の要素が「体力」だ。

金ではないと分かっていても、現実的に、保護者は、今まで、子供の学力向上に百万単位で投資をしてきている。投資のリターンとして、なんとしても合格させたいという思いもある。その思いが、間違った方向に行くと「睡眠時間を削ってでも、勉強しなさい!」となってしまうケースもある。しかし、そこはぐっと思いとどまり、気力・学力・体力こそが、「本番力」を養うのだと肝に銘じよう。そして、その土台となる体力の形成の初めの一歩が「たんぱくリッチな朝ごはん」と心得よう。

この荒波の中、朝ごはんを食べる習慣を身につけ、受験を乗り切ることができたら、それはきっと単に合格以上のものを人生で得ることだろう。あなたの子供が自分の人生を切り開く健康マネジメントを今こそ家族で取り組もう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

PS

  明日の朝ごはんは、卵かけご飯と味噌汁で(^_-)-☆。

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■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩
https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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