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正月太りを解消!食後の30分ウォーキングを習慣づける簡単3つのコツ

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特に40代からは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■正月太りは、仕事のパフォーマンスを下げる

新しい年が始まり、仕事が始まった。この時期、同僚との会話の中で、ベルトの上に乗った鏡餅のようなお腹をさすりつつ、必ず登る話題は「正月太り」だ。年明けの肥満状態には、実は、去年の秋からの伏線がある。気温が下がると、どうしても屋内にいる頻度が高くなり、運動不足になる。さらに、エネルギーの消費量が下がるのに、こってり濃厚な脂っこい食事が美味しくなる。追い打ちをかけるように、クリスマス、忘年会の波状攻撃。そしてトドメが、炭水化物たっぷりのおせちというわけだ。新年を迎えるにあたり、誰もが健康を願う時期だが、糖質をたっぷり含んだ年越しそばとお餅を食べるわけだから、本音と建前がもっとも分かれるシーズンかも知れない。

糖質を過剰摂取すると、結局のところ、何がよくないのだろうか?答えはシンプル。ビジネスパーソンのパフォーマンスを下げる可能性が高くなる。解説しよう。身体活動の中で消費しきれなかった糖質は、中性脂肪に変わり、悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化を引き起こす。人間のほとんどの死因は血管由来。多くが、心疾患、脳疾患だ。まだ若いあなたは、大げさだろうと思うかもしれない。しかし、今の変化と競争が激しい時代において、全身の活力のエンジンとなる心臓や、想像力を生み出す脳にダメージを蓄積するライフスタイルは、仕事のパフォーマンス低下につながるのだ。

■食後のウォーキングを30分継続した結果

私は企業、行政、大学などで生活習慣の中で予防医学を取り入れる健康マネジメントの講師をしている。この私が、正月太りをしている訳にはいかない。そこで、正月太り対策に、食後のウォーキングを毎日30分やってみた結果と、継続するために実行した工夫を3つのポイントで紹介する。

まず、夕食後ウォーキングの結果だが、太りやすい年末年始をはさみ1ヶ月で体重を0.5kg減らすことが出来た。もう少し減るかなと思っていたが、体組成計で測ってみると、下半身の筋肉量が増えて、体脂肪が減ったということだ。つまり、脂肪が筋肉に置き換わり全体としては引き締まった印象に。また、同僚からは「なんか顔が、シュッとして、若々しくなりましたね」と言われた。見た目年齢は、体内年齢と比例するというデータがある。これは嬉しい。メカニズムとしては、食後に軽い有酸素運動をすることで、体内の血糖値が上昇することを防ぎ、また、有酸素運動で体内脂肪が消費されたということだろう。

体重以外にも副産物があった。それは、日中の仕事の疲れが残らなくなった。日中はデスクワークで同じ姿勢を取っているため巡りが悪くなり、体のあちこちに疲労物質が溜まっていたのだろう。有酸素運動によってそれらが見事に洗い流されていくようだった。さらには、深い睡眠がとれるようになった。入眠もスムーズになり途中で起きることもなくなった。夜ぐっすり、朝スッキリのリズムが出来上がった。

■食後のウォーキングを習慣化する3つの工夫

では、具体的にどのように習慣化をしたのか。「三日坊主」という言葉がある通り、何事も新しい習慣を取り入れるのには苦労するものだ。ここでは、心理学の要素も交え、実践内容を紹介する。

1)始める前の工夫

初めのポイントは、夕食後に健康のためにウォーキングすることを「事前に」家族に伝えておくことだ。

この効果は2つある。1つは、地ならしだ。今まで運動をしていなかった、あなたがいきなり運動をするという。突然始めると、家族もびっくりする。そこで、事前に、理由とともに伝えておくと、「いいね、頑張って!」と背中を押す答えが返ってくる。このワンクッションで家族の応援を気持ちよく受けて、スムーズに「夕食後ウォーキング」に出かけることができる。

もう一つの効果は、あなたのモチベーション管理を家族がしてくれることだ。人の気持ちのバイオリズムは一定ではない。ちょっと気温が下ったら、今日はウォーキングしなくてもいいやとなるし、という気持ちになることが、必ず出てくる。そんな時に、家族から「あれ?今日は行かないの?」と言われたら、緩みかけた気持ちをもう一度、奮い立たせるきっかけになる。

心理学では「一貫性の法則」というが、人は言ったことと行動を自然と一致させたくなる生物なのだ。

2)歩き始めてからの工夫

ウォーキングを始める際に、こんな風に思う人がいるかもしれない。「たかがウォーキング。歩くだけなんて、つまらなくて、30分も歩けないよ」。実際、私もそう思っていた。そこで私が活用したのはオーディオブックだ。様々なサービスがあるが、私はAudibleやAudiobook.jpなどを利用している。ここではベストセラーから古典までほとんどの本をカバーしているため、いつか読みたかった本をスマートフォンにダウンロードし、イヤフォンでウォーキングしながら聴いている。

オーディオブックを聴くことの効果は2つある。1つは、朗読スピードを意識的に上げることで歩くスピードも自然と早くなる。軽く息が弾むぐらいの速さであるくことで、エネルギー消費量メッツもあがる。オーディオブックとウォーキングは相性がよいのだ。

2つ目の効果は、翌日のウォーキングが楽しみになるのだ。オーディオブックは1冊の本を朗読するため、30分のウォーキングの中では当然、聴き終えることはできない。途中で終わると、続きが気になる。すると、翌日のウォーキングが待ち遠しくなるのだ。心理学では「未完了効果(ツァイガルニク効果)」として有名だ。ドラマの「つづく」が次の回を楽しみになるように、人間は未完了なものには、次の行動を促すエネルギーが蓄積されているのだ。

3)家に帰ってからの工夫

ウォーキングを終えて家に帰ったら、習慣の定着としてやって欲しいことがある。それは、家の壁掛けカレンダーに、ウォーキングを実施した「日付に丸」をするということだ。丸をすることで、自分自身も、継続していることを視覚として認識することができる。丸の数が増えて行くたびに自己肯定感も上がっていく。これは、プライベートでも、仕事面でもプラスの循環を生み出す原動力になるはずだ。

また、自分だけでなく、家族もその丸の数をみることで、あなたに「すごい!続いているね。そういえば、少し体形がスッキリしてきたみたい。私も一緒にウォーキングやろうかな」と言ってくるかもしれない。家族とより健康になる時間を過ごすことができたらいいことづく目だ。

■やりたいことをやり続けるための、健康マネジメント

私達、ビジネスパーソンは、今、人類最長の人生を生きる時代に生きている。定年延長が叫ばれる中、おそらく75才ぐらいまでは当たり前に働く時代になるだろう。そのためにも、資産形成や、仕事のスキルだけではなく「健康」への投資が欠かせない。

私が健康マネジメントに目覚めたきっかけは、30代前半に香港で働いていた時に出会った、某金融のグローバル企業で働いているビジネスパーソンとの出会いだった。当時私は、飲食関連の仕事をしていて、仕事が終わっては夜の屋台で脂っこい料理をビールで流し込む生活を送っていた。ろくに運動もしていなかったこともあり今よりも15kg以上の肥満体型。朝はブラックコーヒーと栄養ドリンクを流し込み重い体を引きずって職場に行く毎日だった。

たまたま、あるパーティで出会った同世代の香港のビジネスパーソンは、朝から公園で太極拳、食事も全粒粉を取り入れ、睡眠時間も7時間半とこだわっていた。「なぜ、まだ若いのにそんなに健康に気を使っているの?」とまゆをひそめて質問をすると彼は、一言、私に言った。「自分のせいで、将来やりたいことができなくなることだけは、絶対に避けたいんだ」。

私は、自分の生活習慣を変える決意をした。

あなたの「やりたいこと」はなんだろうか。様々あるだろうが、核となるのは、家族と幸せに暮らすこと。そして、自分の専門性を通じて社会に貢献し続けることではないだろうか。そして、それはどちらも、健康があってこそ、だ。

夕食後のウォーキングは、続けやすく、負担が少なく、リターンがデカい。

さあ、さっそく、今夜から始めよう。今日の一歩は、正月太りを解消するだけではなく、やりたいことをやり続けられる未来につながっている。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

【著書一覧】

■プロフィール

健康マネジメントスクール 水野雅浩

https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績

【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格

日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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