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夜ぐっすり朝スッキリ!睡眠不足解消にオススメしたい3つの習慣

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特に40代からは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

■睡眠不足は、仕事・学力のパフォーマンスを下げる

「なんで、あの人は、いつも元気なのだろう?」

そんな風に思ったことはないだろうか。「私も負けていられない。気合い入れないと…!」そんな思い栄養ドリンク、エナジードリンクを購入した経験は、誰しもあることだろう。しかし、根本的な解決になったことはあるだろうか。栄養ドリンクも、エナジードリンクも、結局のところ一番量の多い原料は糖質だ。大量の砂糖水で、一時のハイな状態を作ることはできる。しかし、急速に吸収された糖質は、急速に失われていく。結局のところ、いつもと同じ、ダル重の状態にもどってしまう。仕事のパフォーマンスはアガならい。どうすればよいのだろうか。

疲れが取れない、老けれ見られる、ため息ばかりでる、頭に霞がかかったよう、集中力が続かない。そんな人達の共通点は、たった1つ。それは、「睡眠不足」。私たちは「活気がある人」を見ると、日中の側面にだけ気を取られがちだ。しかし、それは短絡的なものの見方だ。活気は何によって生み出されているのか、と考えたときに、行き着くのは良質な睡眠となる。良質な睡眠なくして、日中の活力はありえないのだ。

先日、出張で宿泊したホテルのロビーに掲示物があった。

「ご宿泊のお客様へ 本日は受験生のお客様が宿泊されています。恐れ入りますが、廊下、エレベーターホール周辺ではお静かにお願い致します。ご協力のほど申し上げます」

このシーズンは、ビジネスパーソンだけでなく受験生も良質な睡眠をとり受験本番でパフォーマンスを発揮する大切な時期だ。今回は、ビジネスシーンでも、受験勉強でも、昼のパフォーマンスを高めるため、夜の睡眠の質を高める方法をお伝えする。

■なぜ、睡眠がパフォーマンスに関係するのか

そもそも、なぜ、睡眠が仕事や勉強のパフォーマンスに関係するのだろうか。様々な理由があるが、ここでは3つに絞り紹介する。

1つは、心と体のリカバリーには睡眠が必要だからだ。あなたは、日中、自覚する以上にストレスを受けている。仕事の締め切りや人間関係は分かりやすいだろうが、紫外線や、座ったままの巡りの悪い姿勢、肥満、タバコ、食品添加物、空気汚染、ハウスダストなどなど。これらの数々の自覚・無自覚のストレスにより心と体はヘトヘトになっている。まずは、マイナスの状態から、せめてプラスマイナスゼロにする必要がある。それが、睡眠なのだ。かりにこのマイナスの状態をリセットできず、さらにストレスがのしかかると、リカバリーそのものが難しくなる。限界まで行ってから、過度にお金と時間をかけてリカバリーするよりも、日々の睡眠が大切なのだ。

2つ目は、記憶力の定着に必要だからだ。創造性が求められる現代でも、ビジネスパーソンも受験生も必要最低限の記憶力は欠かせない。記憶のメカニズムはご存知だろうか。目から入った情報は、一時的に、海馬という組織に蓄積される。海馬はタツノオトシゴのような形をしており、直径1cm長さ5cmほどの大きさで決して大容量の記憶はできない。そこで睡眠の出番だ。海馬に蓄積された記憶を、睡眠時間を通して大脳皮質という大容量のクラウドにアップデートする。これで長期記憶として保存が完了する。しかし、睡眠の時間が短く質が悪ければ記憶は移行しない。繋がりにくい電波の場所でデータのアップデートがうまくいかないことは誰しも経験があるはずだ。記憶を定着させるためにも睡眠は欠かせないのだ。

3つ目は、脳の掃除に睡眠が必要だからだ。あなたが、毎日、欠かさず歯磨きをするのはなぜか。当たり前すぎるが、歯が汚れるからだ。歯が汚れると、歯垢がたまり、歯周病菌がはびこり、虫歯になる。同じことが脳にも起こる。脳内にはβアミロイドというタンパク質の老廃物がたまる。この老廃物を除去するのが睡眠の役割だ。睡眠中に大量の脳髄液が流れ込み老廃物を洗濯機にかけるように洗い流していく。当然だがこの洗濯時間が短ければ、脳に汚れはたまり続ける。その結果が認知症だ。認知症の対策は40年前から初めておく必要があると言われる。つまりあなたが今、40代であれば睡眠時間を削って仕事をしている場合ではないのだ。

■良質の睡眠を手に入れる3つの工夫

では、具体的にどのように習慣化をしたのか。「三日坊主」という言葉がある通り、何事も新しい習慣を取り入れるのには苦労するものだ。ここでは、心理学の要素も交え、実践内容を紹介する。

1)心と体の緊張をほぐしてから、寝室に入る

良質な睡眠を取るために、まず必要なのは、「意図的に」リラックス状態を作り出すことだ。ベッドに入ればリラックスできると考えている人が多いが、それは大間違い。日中、あなたは極度の緊張にさらされている。パソコン、スマホのブルーライトは常に目と脳を緊張させているし、座りっぱなしの状態も巡りを悪くさせ各部位をこわばらせている。緊張が残った状態で寝室に入っても、緊張は睡眠の質をさげるばかりだ。

ではどうすればよいのか。意図的にリラックスさせるために効果的なのは2つの習慣だ。1つは湯船に浸かること。シャワーではなく40~41の少しぬるめのお湯にゆっくり浸かる時間を持とう。余裕があれば、リラックス効果の高いラベンダーの入浴剤を入れるとより効果的だ。もう一つは、睡眠前のストレッチだ。5分程度で十分だ。 私は前屈、体側ストレッチ、上体そらしをしている。

心の器は体だ。体をほぐすと、心もほぐれる。

2)BGMを決める

次は、BGMだ。私は、リラックス効果が高いと言われる、You Tubeで、528ヘルツのソルフェジオ 周波数の音楽を流している。目的は2つある。一つは、ゆったりした音楽に脳波がシンクロし、睡眠へのいざなってくれる。もう一つは、パブロフの犬効果だ。このゆったりした「決まった音楽が流れると、寝るタイミング」がセットになると、しめたものだ。私はベッドに入り、15分ほどBGMを流し、漫画をぱらぱらと読んでいる。すると、音楽を聞いているうちに抗いがたい眠気に襲われ、スムーズに入眠することができる。特に出張が多いビジネスパーソンには、環境が変わってもスムーズに眠れるのでオススメだ。

3)タオルを1枚用意する

それでも眠れないという方にオススメしたいのが、手ぬぐいを目の上に乗せて睡眠を取るというやり方だ。これは、私が某大手学習塾で、夜、神経が高ぶって眠れないという受験生に指導したところ「ぐっすり眠れるようになった!」と大好評を頂いたノウハウだ。やり方は簡単。普通の手ぬぐいを横に二つ折りにして、目から両耳に垂れるように置くだけ。実際にやってみると、目の周りがホカホカと暖かくなり、じんわり緊張がほぐれていくことが分かる。『めぐりズム』という商品があるが、あれの簡易版だ。現代は、PC、スマオなどで人類史上最も目を酷使している時代だ。そして、脳の記憶は目からの情報が8割と言われるほどつながりが深い。目の緊張を緩めることは、脳の緊張を緩めることにつながるのだ。

■昼の活力は、夜の熟睡から生まれる

世界一睡眠時間が短い、眠らない国、日本。なんと、日本の睡眠不足による経済損失は、15兆円にも登ると言われる。厄介なのは、本人は、睡眠不足と思っていなくても、周囲から見たら明らかに活力、集中力が低下し仕事のパフォーマンスが低下していることだ。

睡眠時間を犠牲にして働くことを美徳としてきた時代は終わった。これからは、どれだけ長く深く眠れるか。それが、翌日の活力・集中力を決める。

湯船に浸かること/ストレッチをすること/BGMを流すこと/手ぬぐいを用意すること。どれも、お金も時間もかからない。これだけで、あなたの睡眠の質は向上する。それは日中の質を向上させることど同義だ。

これ以上睡眠を後回しにする生活とはおさらばだ。

さっそく、今夜から始めよう。

今夜の睡眠は、明日の活力と集中力につながっている。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

■プロフィール

健康マネジメントスクール

水野雅浩

https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績

【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格

日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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