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■40代からの健康習慣。3ヶ月の試行錯誤の末たどり着いた、爆睡習慣

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

水野雅浩です。

ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特に40代からは、ストレスも増え、健康格差が大きくなるステージ。仕事にも大きな影響がでます。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■「最近、眠れないんだよな...」

40代を超えて、年齢を重ねると、「睡眠不足」についての会話が増えていないだろうか。思い返してみると、20代、30代もそんなに長い時間寝ているわけではなかった。しかし、睡眠時間が短くても、日中眠くなるということはなかった。健康貯金が残っていたのだ。

しかし、40代を超えるとどうだろう。睡眠時間が短い。睡眠の質が悪いと、とたんに、コタエル。

朝、起きても、疲れが残っている。

昼、眠気に襲われる。

夜、睡眠の質が悪くなる。

私もその一人だ。

年齢に加えて、出張があると、ホテルで寝室の環境が変わる。エアコンの向きや、枕の形でも、睡眠の質は左右される。

眠ろうと思っても、眠れない。

眠ったと思ったら、起きてしまう。

起きたと思ったら、疲れが残っている。

あなたは、そんな悩みはないだろうか。

■ 睡眠時間が短いと高まる肥満、糖尿病、認知症

厚生労働省の「国民栄養調査」では日本人の5人に1人が「睡眠で十分に休息がとれていない」と回答している。この背景には、24時間社会での持続するストレス、刺激的なデジタルコンテンツの増加、生活リズムの乱れ、ライフスタイルの多様化、など様々な要因が関係していると考えられる。 睡眠不足が健康によくないのは、何となくかるが、具体的に何がよくないのだろうか?睡眠不足の健康への弊害は、さまざまあるが、ビジネスパーソンとしておさえておきたいポイントは次の3つだ。

1)肥満リスク 

満腹ホルモンが低下、食欲増進ホルモンが増加。糖をエネルギーに変えるインスリンの働きの低下により肥満

2)糖尿病

血糖値が高くなるため、生活習慣病のリスクが高まる。糖尿病になると合併症を引き起こしやすくなる。透析治療になると1日4時間、週に4回病院に通うことになる。QOLは著しく低下する。

3)うつ症状

睡眠不足は、心の健康にも影響を与える。寝付きの悪い人は、うつ症状の確率が増えることがわかっている

4)認知症リスク

脳内に老廃物が溜まりアルツハイマー型認知症の確率が増えることがわかっている。この老廃物というのは、たんぱく質と糖質がくっついたものだ。私は新卒から10年間、介護サービスで仕事をしてきた。何千人という高齢者と会う中で、血糖値が高い人は、ほとんどが認知症になることを目の当たりにしてきた。認知症が、脳の糖尿病と言われる由縁だ。

■睡眠力は仕事力。

書店のビジネス書コーナーに行けば、睡眠には様々な本が出ている。私も、主要な睡眠関連の本と、論文にはすべて目を通た。その中でも、日本のビジネスパーソンが応用できることにしぼり、『睡眠力』という本を上梓した。

私は「睡眠力」はそのまま「仕事力」につながると考えている。睡眠の良い睡眠とは、睡眠の「時間」かける「深さ」の面積を最大化させることだ。これだけは外せない!という水野流・爆睡法をご紹介したい。

●1ヶ月目:夕食後のウォーキング

自分が深い睡眠が取れている時、取れていない時の生活パターンを振り返り決定的だったのは、夕食後のウォーキングだ。それまでは食事の後は、ソファーでテレビを見ているパターンがほとんどだったが、運動不足解消を感じ、食後のウォーキングをしたところ、今まで感じたことがないほど、深い睡眠を取ることができた。想像するに、2つの要因が考えられる。1つは、ウォーキングによるストレスケア効果だ。内心「ウォーキングなんぞ、じいさんばあさんがやることと」と思っていたが、歩くだけで日中のストレスが洗い流されていく。心のさざなみが明らかに静まっていくことがわかった。2つめは、軽い有酸素運動で心地よい疲労感だ。疲労感がキーワードと実感し、実験的に、少しきつめの筋トレをしてみたところ、これは、逆効果になった。体が興奮してしまい、また、布団にくるまっていても、筋肉が熱を持ってしまい、眠れないのだ。強すぎる疲労度は、回復が間に合わず翌朝まで疲労が残ってしまったのだ。私は、出張時でも食後ウォーキングは、ルーティンに組み込んでいる。日中、座っている時間が長い人ほど、試してみてほしい。

●2ヶ月目、5分間のストレッチ

次に試したのが、5分間のストレッチだ。よく心と体はつながっていると言われる。日中の仕事は、PCと向かい合っている時間がながい。すると首も背中も、腰も、緊張状態となる。「心の器は、体」と考えるのであれば、体と心をほぐしてから、寝室に向かいたい。そこで、睡眠前に、ストレッチをすることにした。

ストレスの内容は、決して本格的なものではなく、前屈をしたり、体側伸ばしをしたり、とオーソドックスなものだ。しかも、ヨガマットを広げたりする本格的なものではない。テレビを見ながら1動作30秒をめどにゆっくりストレッチをしているだけだ。これはいい習慣となった。ストレッチをしない日と、している日を比較すると、翌朝の疲労回復度が違うのだ。睡眠は回復に効果的と言われるが、その効果をブーストしてくれる5分間となった。

●3ヶ月目、手ぬぐいアイマスク

ウォーキング習慣、ストレッチ習慣により、睡眠の質は格段に高くなった。しかし、問題があった。それは、妻が寝るタイミングが私よりも遅いため、私が寝室に入っていても、光が漏れ入ってきて、なんとなく落ち着かないということだ。そのため、アイマスクを購入したが、耳にかけるゴム紐バンドがなんとなく、煩わしくてしっくりこない。

そこで、手ぬぐいをアイマスクとして活用することにした。手ぬぐいを、4つ折りにして、目の上に乗せると、体温で反射してじんわり温かくなる。すると、顔の筋肉がどんどん緩んでいくのがわかる。花王の『めぐりズム』の簡易版だ。目と脳は密接な関係があり、記憶の8割は視覚情報と言われている。つまり、目の周りの筋肉は常に、緊張状態に置かれているのだ。ここを意識的にケアすることは、脳の緊張をほぐすことにも繋がるはずだ。

私は、ビジネスパーソンだけでなく、受験生の健康習慣もサポートしている。受験生は、睡眠時間を削って勉強をするが、あまりにも緊張状態がながいため、神経が過敏になり、眠れなくなっている学生が多いのだ。そこで、手ぬぐいアイマスクを試してもらった。すると、「こんなにぐっすり眠れたのは久しぶりです」と次々とコメントが届くようになった。次に、企業で、ビジネスパーソンに紹介したところ、特に出張が多い人から「ホテルなどで僅かな光が気になって眠れないことがあったんですが、眠れるようになりました」というコメントが届いた。

手ぬぐいアイマスクについては、臨床的なエビデンスは乏しい。しかし、お金も時間もかからないが、リターンは大きい。ぜひ一度試してほしい。

■睡眠力が、人生の質をあげる

日本人の睡眠時間は、世界で最も短いことがわかっている。では、日本人は、睡眠時間が短くても、日中フルパワーで仕事ができて、健康長寿を維持できる特異な国民なのか、と言えば、そんなことはあろうはずもない。

元に、朝起きても疲労が残っていること、日中、集中力が切れてしまうことは誰しも経験している。さらに、日本においては、65歳以上のシニア層は、4人に1人が軽度認知症か認知症と言われている。私は介護サービスを10年間してきたが、認知症ほど、人間の尊厳を保つのに難しい病気はない。本人も、家族にも大きな負担がかかる。

睡眠のクオリティが、仕事のクオリティを高め、生涯のクオリティを高めると考え、今夜から睡眠力を上げる習慣に取り組んでみてほしい。今日ご紹介したものは100%あなたに当てはまらないかもしれない。しかし、あとはあなたのライフスタイルにあった、睡眠投資をさがし、微調整すればよいのだ。あなただけの睡眠習慣が完成したときには、「こんな爽快な朝を迎えたのは久しぶり」と実感ができるはずだ。

さあ、今夜から睡眠力を上げる一歩を踏み出そう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

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■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩
https://healthylifepj.com/
1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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