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どの野菜を食べたらいい?栄養価の高い野菜ランキング~ビタミン編~【管理栄養士監修】

成松由佳快腸ナビゲーター/管理栄養士

こんにちは。
快腸ナビゲーター/管理栄養士の成松由佳です。

食事相談をしていると、こんな質問をよく受けます。

「野菜って、何を食べてもいいんですか?」
「特におすすめの野菜はありますか?」

野菜から摂取できる主な栄養素は、ビタミン・ミネラル・食物繊維
ビタミンの中でも、ビタミンA・C・E・K・葉酸の主な摂取源になっています。

どうせ食べるなら、栄養価の高いものを選びたいですよね。そこで今回は、野菜に含まれるビタミンの量を、栄養素ごとにランキングにしました!
それぞれの栄養素の働き1日に必要な摂取量も合わせて解説します。最後にはビタミン全般が多い野菜についてまとめましたので、野菜選びの参考にしてみてくださいね。

ビタミンA

目が光を感じる働きに関わり、薄暗いところで視力を保つのに役立つ成分です。また皮膚の粘膜を健康に保ち、免疫力を保つ働きもあります。

成人の1日の摂取推奨量は、男性18~29歳・65~74歳で850μg、30~64歳で900μg、75歳以上で800μg。女性では18~29歳・75歳以上で650μg、30~74歳で700μgです。

ビタミンAの多い野菜ランキング

1位:にんじん(630μg)
2位:春菊(380μg)
3位:ほうれん草(350μg)
4位:にら(290μg)
5位:小松菜(260μg)
6位:わけぎ(220μg)
7位:かぼちゃ(210μg)
8位:チンゲン菜(170μg)
9位:水菜(110μg)
10位:ブロッコリー(75μg)
(可食部100gあたり)

にんじんの含量が圧倒的で、その後に葉物野菜やかぼちゃ、ブロッコリーが続きます。

ビタミンC

コラーゲンの合成に必須の栄養素です。コラーゲンは皮膚のハリを支えたり、血管の弾力を保つのに役立っています。またビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、体内でビタミンEとともに活性酸素を除去する働きがあります。

成人の1日の摂取推奨量は、男女ともに100mgです。

ビタミンCの多い野菜ランキング

1位:ブロッコリー(140mg)
2位:カリフラワー(81mg)
3位:ゴーヤ(76mg)
3位:ピーマン(76mg)
5位:さやえんどう(60mg)
6位:ししとう(57mg)
7位:水菜(55mg)
8位:れんこん(48mg)
9位:かぼちゃ(43mg)
10位:小松菜(39mg)
(可食部100gあたり)

1位のブロッコリーは、つぼみの部分1/2株でおよそ100gに相当します。これだけで1日にとるべきビタミンCの量を十分超えて摂取できます。

ビタミンE

抗酸化作用が高く、細胞や血管の酸化を防ぎ健康に保っている栄養素です。生殖機能を正常に保つ、赤血球の溶血を防ぐなどの働きもあります。

成人の1日の摂取目安量は、男性18歳~49歳で6.0mg、50歳~74歳で7.0mg、75歳以上で6.5mg。女性は18歳~29歳で5.0mg、30歳~49歳で5.5mg、50歳~64歳で6.0mg、65歳以上で6.5mgです。

ビタミンEの多い野菜ランキング

1位:かぼちゃ(3.9mg)
2位:ブロッコリー(3.0mg)
3位:にら(2.5mg)
4位:ほうれん草(2.1mg)
5位:水菜(1.8mg)
6位:春菊(1.7mg)
7位:アスパラガス(1.5mg)
8位:わけぎ(1.4mg)
9位:ししとう(1.3mg)
10位:オクラ(1.2mg)
(可食部100gあたり)

かぼちゃとブロッコリーに特に多く、ほうれん草・水菜・春菊などの葉物野菜にも多く含まれます。

ビタミンK

出血を止める働きに関わるビタミンです。骨を強くし骨粗鬆症を予防する、動脈の石灰化による動脈硬化リスクを低減するなどの作用も知られています。

成人の1日の摂取目安量は、男女ともに150μgです。

ビタミンKの多い野菜ランキング

1位:ほうれん草(270μg)
2位:春菊(250μg)
3位:小松菜(210μg)
3位:ブロッコリー(210μg)
5位:にら(180μg)
6位:わけぎ(170μg)
7位:水菜(120μg)
8位:チンゲン菜(84μg)
9位:キャベツ(79μg)
10位:オクラ(66μg)
(可食部100gあたり)

ほうれん草・春菊などの葉物野菜や、ブロッコリーに多く含まれています。

葉酸

DNAやたんぱく質を作るのを助け、細胞の増殖と深く関係しています。特に胎児の発育に重要といわれる栄養素です。また、心筋梗塞や脳卒中などの発症を抑える作用も期待されています。

成人の1日の摂取推奨量は、男女とも240μgです。

葉酸の多い野菜ランキング

1位:枝豆(320μg)
2位:ブロッコリー(220μg)
3位:ほうれん草(210μg)
4位:アスパラガス(190μg)
4位:春菊(190μg)
6位:水菜(140μg)
7位:そら豆(120μg)
7位:わけぎ(120μg)
9位:オクラ(110μg)
9位:小松菜(110μg)
(可食部100gあたり)

「葉酸」という名のとおり、葉物野菜や緑色の野菜に多く含まれています。

ビタミン全般が多い野菜は?

今回のランキング5種類すべてで10位以内だった野菜は、ブロッコリー水菜でした。
また、ほうれん草・小松菜・春菊も4種類でランクイン。

これらの野菜は、いずれも冬が旬。普段食べていない野菜があればぜひ取り入れて、これからの季節を元気に過ごしましょう。

次回は、ミネラル・食物繊維が多い野菜を紹介します。
そちらもお楽しみに!

※今回ランキングの対象とした野菜は、日本で特に多く消費されるものとして農林水産省に指定された「指定野菜」14品目・「特定野菜」35品目のうち、文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」で野菜類に分類される41品目です。

【参考】

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年

農林水産省「野菜の指定野菜と指定産地についておしえてください。

中国四国農政局「特定野菜等の対象産地の選定状況

快腸ナビゲーター/管理栄養士

大学院修士課程修了後、製薬メーカーでの勤務を経て、特定保健指導に従事。自身も食事改善によって長年悩んでいた便秘や肌荒れを克服。「自分で自分を変えられる」実感から、心も前向きに変化するのを感じる。現在は健診専門クリニックでの保健指導を行いながら、フリーランスとしても活動。食事に悩む時間や精神的なストレスを減らし、自信を持ってやりたいことにチャレンジする土台を食で作れるようサポートしている。

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