はらぺこライターの旅人間です。今回は鬼の伝説について…。

日本各地には昔から伝わる物語や伝説、興味深い地名など色々あります。その中でも鬼に関する話は多いですね。

そこで今回は、岐阜県に残る「鬼伝説」の一つを取り上げてみましょう。

ここは国道21号沿いにある「鬼の首塚」と呼ばれているトコロ。場所は岐阜県可児郡御嵩町です（可児御嵩バイパス沿いではありません）。

鬼の首塚…ここで一体何があったのか、知っていますか？

簡単に言えば、ここは「鬼の首」が埋められていると伝わる場所。

では、何故ココに？

この鬼の名は「関の太郎」と言います。

不破の関（現在の関ヶ原）の生まれから、その名が付いたのだとか。ここに”首塚”がある理由を「関の太郎物語」から簡単に説明すると…。

「関の太郎物語」について

一説によると、正治元年（1199年）の頃、かつて「関の太郎」と呼ばれていた恐ろしい鬼（野盗・山賊とも）が洞窟に住み着き、乱暴狼藉を働いていたそうです。

困り果てた村人は、領主（纐纈盛康）さまに相談し、武勇にすぐれた四人の家来（川原三郎、末国四朗、浦野宗行、長岡兵衛）に太郎の逮捕に動きます。

ところが、太郎はなかなか捕まりません。

ある日、蟹薬師如来さまのお告げがあり「薬師の祭礼の日に太郎は必ずやって来る」、そして「村人の手のひらには朱印を押して通らせるように」と。

祭礼の日、何も知らない太郎は変装してやって来ます。

しかし、手のひらに朱印が無く、変装は見破られ慌てて逃げ出すが、薬師如来の神通力で足が動かなくなった太郎は捕まります。そして打首に。

その首を桶に入れ京に運び出そうとしたら、首の入った桶が急に重くなり、首は桶を飛び出したという。

仕方なく首を埋めたのが…

現在、国道沿いにある「鬼の首塚」のある場所と伝わっています。

その後、太郎は土地の守護神になり、今まで苦しめられていた村人たちは幸せに暮らしたとさ。めでたし、めでたし。

以上がこの地域に伝わる「鬼の首塚」の話で、『関の太郎物語』の概要です。

※物語の詳細は「鬼岩公園（関連記事）」で紹介しています。

鬼の伝説について（私見）

私は各地域に残る民話や伝説に興味があり、色々と見て回るのが好きなのですが、時に不思議に感じる共通点があります。それは…

退治された鬼は本当に悪者だったのか？
退治された後、なぜ守り神になったのか？

…ということ。

鬼は人間に危害を加える邪悪な存在で、洞窟や岩場に住みつき、村人を苦しめている。顏は醜悪で、頭には角、肌の色は赤や青、口には牙、背が高く、怪力で筋肉ムキムキ…。

そんな描写を良くみかけます。

もちろん、乱暴狼藉を働いていた野盗や山賊が退治され、それが桃太郎のようなヒーロー伝説が生まれたケースもあるでしょう。

でも鬼のような悪人が成敗された場合、その後「守り神」になるのは不思議だなと…。

私は、鬼伝説が残る地を巡る時、心のどこかで感じるのは「敗者」や「被征服者」となった者たちの思いというか、その存在感です。

日本の歴史において、非業の死を遂げた菅原道真が神として祭られているのは有名ですが、他にも同じような事が起きているのではないだろうか…

そう感じる事があります。

「もしかすると、鬼として祭られている人たちの中にも…」と。

事実はタイムマシーンでも出来ない限り永遠に分からないでしょう。

色々な考えや説があります。何が真実なのか？何が間違いなのか？それは不明確で謎だらけ、だからこそ面白いのかもしれません。

今回紹介の「鬼の首塚」から伝説を巡るなら、鬼岩公園の「鬼の岩屋」もおすすめです。そこはマイナスイオンたっぷりなハイキングコースで、巨岩奇岩が沢山見られます。

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