【英会話】似合ってるよって言ったら、外国人が変な顔した。なんで?
英語嫌いなのに、何の因果か仕事で英文法をマスターして、挙句の果てに英会話スクールで働いちゃったもんだから、私は時折(しばしば?)Native English Speakerから思わぬ反応を引き出しちゃうことがあります。
【英会話】編は、そんな私のやらかしを多少脚色も加えて一笑していただこうというエッセイです。
受験英語は知ってるけど、Native English Speakerと急に話さなければならなくなったという方、どうぞ笑ってやって、参考にしてください。
恥ずかしいことを照れもせず口走るタイプの人というのがいるものですが、私もそういうところがありまして、意図なく相手を赤面させることがよくあります。理屈っぽい性格のせいか、言葉にしないと伝わらないと思っちゃうタイプなんですねぇ。
ただ、それはNative English Speakerには好まれるようで、相手に何か変化があった時はそれをすぐ口にするわけですが、ここでもやらかす。
ある時、髪形を変えたNative English Speakerに、怪訝な顔をされたことがあります。
彼はアメリカ人の講師でBrendenって言ったんですが、真面目なやつでして。こういうやり取りでした。
"Hello! Toku san. How are you?"
って、オフィスに入ってきたBrenden が話しかけて来たんです。振り向いて彼を見たら、長かった髪がバッサリ切ってある。さっぱりしたなと思って、
私は よく似合ってるじゃん ってつもりで、
"That suits you very well"
って言ったんですが、その途端に、Brendenが変な顔。首を傾げて、
"I didn't say anything?"
ですって。ん? ん? 「何も言っていないよ」って? なんだそれ? と思ったんですが、どうしてこうなったか、みなさん気づかれたでしょうか?
私の英語が微妙に違っているんですねぇ。私の言いたいこと(シニフィエ)をあらわす英語になってない。
あとで、友人のEnglish man のRich が、教えてくれたんですが、私が言うべきだったのは、
"It suits you very well"
だよとのこと。
that とit にそんな違いが? とぞっとする。それまで全然気づいてなかったんですから。
Rich に詳しく訊いてみるとthat は相手の話の内容に対して使う代名詞で、it は指し示すそのもの、もしくは相手の話のなかの何かに対して使う代名詞だそうで、私が言った"That suits you very well"は、「あなたの言ったことはあなたによく似合っている」って、意味。会う早々そんなこと言われればBrendenが変な顔するのは当たり前です。というか、会話の途中でもおかしい(笑)
この使い分けが判っていれば、Brenden に言いつくろえたんですけどねぇ。
I meant "How are you" suits you very well.
って。う~ん、これも苦しいかな。
と、こんな感じで、このエッセイの【英会話】編ではNative English Speakerたちに伝わらなかった私の失敗英語エピソードをご披露したいと思っております。
お気に召しましたら是非ともごひいきくださいますようお願い申し上げます。
この春にNative English Speakerと知り合った方もたくさんおられると思います。彼らは言葉をもらいたがる人々です。気づいたいい変化はすぐ言ってあげてください。
え? あんたみたいに恥ずかしげもなく、そんなこと言えないって? まぁ、そう言わずに。
イラスト 大橋啓子