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【英会話】強気だなぁ、って言ったら、急におしゃべりになった。なんで?

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 私は英語嫌いなのに、何の因果か仕事で英文法をマスターして、挙句の果てに英会話スクールで働いちゃったもんだから、時折(しばしば?)Native English Speakerから思わぬ反応を引き出しちゃうことがあります。

 【英会話】編は、そんな私のやらかしをネタに多少脚色も加えて一笑していただこうというエッセイです。

 受験英語は知ってるけど、Native English Speakerと急に話さなければならなくなったという方、どうぞ笑ってやって、参考にしてください。

 Native English Speakerというのは、ほとんどが自信家でして(とくにアメリカ人)、仕事を頼んでも「大丈夫、そんなの朝飯前、できます!!」と自信満々でうけおってくれます。

 このあたりは文化の違いを感じるところですが、ある時あんまり自信満々なんでちょっと揶揄(からか)ってやろうと思って、逆に揶揄われたことがあります。痛恨です。

 彼はアメリカ人のスタッフでCummingsって言ったんですが、法人営業の資料を作るのを頼んだんです。でも、それが彼にとって初めての資料作り。しかもあまりパワポも使ったことないって話で、

"Is it alright? Don't hesitate to ask any questions."
大丈夫? 判んないことあったら聞いてよ

といったんですが、その返事が、

"I'll do it. A piece of cake."
おれなら大丈夫さ。楽勝。

って、自信満々。その不安のカケラもない顔見てちょっと意地悪な気分になっちゃって、

"Oh! What a big mouth!"

と、おお、強気だねぇ~ って言ってやったんです。そしたら、

Cummings、ニッコリ笑って、周囲のNative English Speakers に、

"Hey! I got asked a new work from Toku."
徳さんから新しい仕事頼まれたよ。

"Get a load of this. Toku asked me to make some documents."
ねぇ、聞いて。徳さんから資料作り頼まれたよ。

 って言いふらし始めた。

 私としては「はて? この流れはなに?」なんですが、どうしてこうなったか、みなさん気づかれたでしょうか? 

 毎度のことながら、 私の英語が微妙に違っているんですねぇ。私の言いたいこと(シニフィエ)をあらわす英語になってない。

 私が言った
"Oh! What a big mouth!"
が、
「おお、強気!」
という意味になってないんです。
 あとで友人のRichが教えてくれたんですが、これは
「おお、なんて口が軽い!(なんておしゃべり)!」
という意味。

 私が言うべきだったのは、
"What a tough talk!"
で、これなら、
「おお、強気!」
だそうです。

 なるほど、強い話しぶり か、確かに強気そう。

 結局、揶揄(からか)いそこねちゃった私は、Rich に
"Cummings. Don't take the mickey out of Toku."
って助けられたんですが、これも一瞬判らなくて、訊いてみると
take the mickey out of ~
で、
~を揶揄う って意味。

 う~ん、それ知ってれば、Cummings に言い返せたんですが、二重に痛恨でした。

 と、こんな感じで、このエッセイの【英会話】編ではNative English Speakerたちに伝わらなかった失敗をネタに多少脚色もくわえてご披露したいと思っております。
 お気に召しましたら是非ともごひいきくださいますようお願い申し上げます。

 日本語に入り込んでいる英語は結構ありますが、本来の英語の意味とは違うものもあります。みなさんもご注意ください。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ日本語を英語にする方法で英文法をマスター。その実績を買われて英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職し活躍する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentに就任。Native English Speakerのマネージメントを経験し、日本人とは違った価値観や思考法に振り回されるという経験を多々する。現在は独立し、英会話スキルだけではなく、Native English Speakerとうまく交渉できるスキル習得を目指した英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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