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【英会話】スタンドの傾斜がきつくていいんだよと言ったら、不自然だね っていわれた。どこがおかしい。

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 20年ほどNative English Speakerたちのマネージメントをしています。もちろん彼らと話すときは英語なんですが、20年経っても慣れないことを言おうとすると一瞬詰まったり、日本語を直訳したりしてしまうことが、まだまだあります。

 そんな私の失敗英語や、今も私の周りで起こっている失敗英語を多少脚色も加えて、ご披露したいと思います。今回は、読むと自然な英語を得られるお得なエッセイです。

スタンドの傾斜がきつくていいんだよ

 2月も中旬、いよいよJリーグの開幕が迫ってきました。私がサポートしている鹿島アントラーズは今日行われたFUJIFILM SUPER CUPには出場できませんでしたが、来年は出場しているに違いありません、いや、出場するかな? 出場してほしいなぁ。というか出場して、お願い。
 ちょっと取り乱しましたが、FUJIFILM SUPER CUPはJリーグ王者と天皇杯覇者の対決なんで、どっちかを獲らないと出られない栄誉あるタイトルなんです。出ている神戸さんと川崎さんが羨ましい限りです。

 そんなことをNative English Speakerの友人のRichと話していたんですが、その流れでスタジアムのスタンドの傾斜の話になりました。RichはEnglish なんで、もちろんfootball 好き。アントラーズの鹿島スタジアムの傾斜はどうなの? って訊かれた。
 実はfootball 観戦にはスタンドの傾斜は急な方がいいんです。ピッチが俯瞰(ふかん)して見渡せて、全体がよく見えるんでボールのないところの選手の動きがよく判る。配信や放送ではわからない面白さを堪能できます。もちろん、本場のfootball ファンのRichもそれを知ってて気になったよう。
 もちろん、うちのスタジアムの傾斜は急です。すごく見やすい。それを伝えようと自慢気に、

Kashima stadium has sharp angle.

と言ったんですが、Rich、一瞬考えて首を振る。不自然だね と言われてしまいました。みなさんならどういう英語を作られるでしょうか?

 Richのヒントは、より具体的にということ。鋭角を持ってるじゃ、英語じゃ伝わらないんです。
 で、ちょっと考えて、鋭角なのはスタンドのこと、スタンドが鋭角じゃ変だから、スタンドが急勾配(steep)にして、

Kashima stadium has steep stands.

 と言いなおす。Richはサムアップ。よくわかる英語だと褒められました。
 こういう出来るだけ具体的な表現というのは、ふわっと表現して相手の想像に任せる日本語にはない英語の特徴で、英語の表現の仕方になれると日本語もより正確になります。この辺りも、英語を話す効用です。

 と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。

 そういえば、Richはこのあとに最近の言い回しとして、

Kashima stadium has a kop.

 という言い回しも教えてくれました。kop というのはもともとthe Kop と書いてリヴァプールFCのサポーターが集まっている傾斜のきついスタンドのこと(出典Oxford Dictionary)ですが、そこから転じて傾斜のきついスタンドをkop と呼ぶようになってきているそうです。どうぞ、使ってみてください。

 さて、3/2はアントラーズのホーム開幕戦。kop と試合を愉しんできたいと思います。もちろん、勝つに違いありません。いや、勝てるかな? 勝ってほしいなぁ。というか勝って、お願い。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ日本語を英語にする方法で英文法をマスター。その実績を買われて英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職し活躍する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentに就任。Native English Speakerのマネージメントを経験し、日本人とは違った価値観や思考法に振り回されるという経験を多々する。現在は独立し、英会話スキルだけではなく、Native English Speakerとうまく交渉できるスキル習得を目指した英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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