赤穂の夏の風物詩として親しまれてきた「土曜夜店」。新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、令和2年・3年は中止となりましたが、今年は拡大状況も落ち着いているので、例年の6回開催を2回に減らして、6月18日、25日に開催することとなりました。そして、夜店の名物だったあのメニューも再現しますよ。さて何が登場するのかな。

花岳寺の門前町として栄えた商店街

イベントを主催する花岳寺通商店街は、江戸時代には浅野家や大石家の菩提寺であった花岳寺の門前町や職人町からはじまった商店街です。

同商店街の夜店は、元岡呉服店の当時のご主人が昭和2年に始めたという記録が残っており、戦時中は一時中断したものの、昭和50年頃までは、6月からお盆までの「1」と「6」が付く日に開かれ、「一六夜店（いちろくよみせ）」の呼び名で親しまれていました。

昭和47年3月の毎日新聞には「伝統を誇る。一六夜店」の記事と写真が掲載され、昭和48年6月の読売新聞には「テレビより綿菓子の味　毎回4千人でにぎわう」との記事があり、当時の賑わいを物語っています。
その後、夜店の回数が多すぎると、昭和50年頃に土曜日のみの開催になり、「土曜夜店」という名称になったようです。

全盛期には多くの露店が立ち並び、通行するのも大変で、まさに”芋の子を洗うような”賑わいだったそうです。

その頃から数えて今年で95年を迎える「土曜夜店」は、伝統的な歴史を誇るイベントなのです。

今年のステージイベントをご紹介

今年の開催日は、6月18日と25日。
岩佐屋前のフリースペースで行なうステージイベントは、毎回昔懐かしい昭和の紙芝居から始まり、ダンスや踊り、歌など、赤穂市内で活躍しているグループやサークルのみなさんが登場します。

6月18日は、子どもたちのトランポリンダンス、何ができるかなと毎回お楽しみのバルーンショーや大きな絵本の読み聞かせ、カッコイイHIPHOP、伝統の傘踊り、そしてエンディングは、しっとりとギターの弾き語りを予定しています。

また、6月25日は、リズミカルなカントリーダンス、バトンを回して演技するバトントワリング、「夜店コンサート」ではゴスペルの迫力の歌声、ロック系の曲の弾き語り等が登場しますよ。

商店街でもさまざまなイベントを開催

商店街では、まちづくり会館前の空き店舗を利用して、射的やガラガラ抽選会（いずれも1回100円）を開催します。抽選会は外れなしで、1等は子どもたちが喜ぶ豪華賞品を用意しているそうですよ。

各店舗で夜店バージョンの商品やイベントを予定しています。
岩佐屋では夜店名物「ふらい饅頭」を製造販売、備前屋では、花火などが当たる抽選会を実施、たなべ花店でも、夜店特価で商品を用意、また、鈴吉屋も、タコ唐揚げやビール・チューハイ・ハイボールなどの販売、ボールすくい、メダカも販売する予定です。

あの名物が復活～～～～

夜店といえば、アレ、そうアレです。
うまえの「イカ焼き」。イカの姿焼きではなくて、プレスするタイプのイカ焼きです。

たこ焼き、大判焼き、イカ焼きを販売していた花岳寺門前の「うまえ」は、もう商売をやめて久しいのですが、この度、門外不出のイカ焼きのレシピを商店街のために提供し、今年の土曜夜店で再現するそうです。

これ、個人的にすごく楽しみなんですけど～～～

場所は、ともや手芸店の前あたりですよ。

もちろん、ボールすくいやりんごあめ、ベビーカステラといった屋台が、約30店舗出店します。こちらも楽しみですね。

「市民の夕べもなくなり、息継ぎひろばで行なわれていた遊加里たうん夏まつりも今後開催しない方向ですし、子どもたちのまつりの場がなくなってしまう。僕らの小さい頃の思い出として、お小遣いもらって夜店に行くのが楽しみだったので、子どもたちの思い出作りのためにも、6回を2回に減らしても開催しようということになりました」と、花岳寺通商店街・会長の田辺尚也さん。

感染症対策もしっかりしながら、ファミリーで出かけてみてがいかがでしょう。