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今すぐ転職するべき?心理学者が解説する心身を崩壊させるブラックな職場を見抜く方法

赤田太郎の仕事に役立つ心理学常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士

みなさんこんにちは。仕事に役立つ心理学の赤田太郎です。

普段は大学教員として心理学の教育や研究を行い、また学校や企業でのカウンセリングなどの実践から、You Tubeインスタでこころの健康の大切さをSNSで発信しています。よろしければフォローをお願いします。

今回の記事では、あなたの職場が健康的かどうかについて、WHOが提唱している2つの方法についてお話ししたいと思います。この方法を知ることで、現在の職場が健康的かどうかを判断できるので、今後の自分の将来、転職するかどうかについて考えるひとつのきっかけにしていただければと思います。

パフォーマンスを喪失している職場とは

WHO(世界保健機構)が提唱している、健康問題に起因したパフォーマンスの損失を表す指標の2つに、「プレゼンティーイズム」と「アブセンティーズム」を提唱しています。この2つの視点から職場環境を眺めてみると、自分の職場環境が良いのかどうかチェックすることができます。

パフォーマンスとは、要するに職場全体の成績のことになります。この2つがあると損失が起きるので、会社としてはこの2つをなるべく取り除いた方がいいことになります。管理監督者としては、この2点をどれだけ真剣に考えられるかが、退職を食い止める鍵にもなります。

アブセンティーズムとは

アブセンティーズムという言葉の中に含まれる「アブセント」っていう言葉は、「欠席する」という意味です。つまり、職場を休んでいるということになります。健康問題が原因で、仕事の欠勤、要するに病欠がついてる状態の人がいる時に、アブセンティーズムと呼ばれます。

あなたの職場に、出勤できていない病欠者がどれぐらいいるでしょうか?

この病欠者の数が多いと、健康的な職場とはいえない状態になります。病欠者を少なくしていくことが職場改善を行うときに指標として活用できるものになります。

プレゼンティーズムとは

二つ目が、プレゼンティーズムと呼ばれる指標です。この指標の言葉にある「プレゼンス」ですが、これは表面に現れている成果のことを指しています。

プレゼンスがあまり出ていない、要するに欠勤はしてないんだけど、職場には来てはいるけどそこに座ってるだけで、何をしてるわけでもなくぼーっとしている、職場にいるけど、プレゼンスが発揮できてない状態のことを指しています。

あなたの職場には、このように何をしているか分からない社員はいませんか?

このような社員は、業務遂行能力が低下していたり、生産性つまり、物事をある一定の時間の中でどれぐらい作れるか、あるいある一つのタスクをこなすのに何分かかるかという点で、必要以上の時間がかかったりとか、作成する個数・工数が減ったりしている状況、これは生産性が低下している状態です。

出席してるけど、その社員の生産性がない状況、ぼーっとしてたりしてるみたいな状況をプレゼンティーズムの悪化といいます。

2つの指標でブラックな職場から脱出する

このアブセンティーズムとプレゼンティーズは、健康的な職場かどうかを判断するための指標になっています。あなたの職場に当てはめたときに、この2つが悪化している場合は、職場が不健康だと言うことになるので、あなたが不健康になる可能性が高くなります。もし、この2つの指標が高ければ、早急にこのブラックな職場から転職を考えてもいいかもしれません。

逆に、あなたが管理監督者であれば、職場に対して早急な改善が求められるでしょう。それぞれの社員は、個別の事情を抱えています。ワンオンワンのような面談を行ったり、他の社員から状況を確認するなどの現状把握を行い、それぞれの原因に合わせた対策を行う必要があるでしょう。管理監督者からでは分からない事柄もあるので、押しつける態度ではなく、一緒に改善していきたいというメッセージとそれを裏切らない行動が求められるでしょう。

こちらの動画では、もっと簡単に解説をしていますのでぜひ一度ご覧ください!

記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

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常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士

常葉大学(浜松)健康プロデュース学部心身マネジメント学科/常葉大学大学院健康科学研究科臨床心理学専攻 准教授。立命館大学/武庫川女子大学・大学院非常勤講師。働く人と家庭のメンタルヘルス・ストレス・トラウマが専門。働くみなさんにこころの健康の大切さを伝えるために、誰でもわかりやすい心理学をYouTube・Instagramで発信しています。

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