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【薬が効かない】頭痛で学校に行けない子どもに親が絶対してはいけないこと、できること

赤田太郎の仕事に役立つ心理学常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士
親は登校してほしい

みなさんこんにちは。仕事に役立つ心理学の赤田太郎です。

普段は大学教員として心理学の教育や研究を行い、また学校や企業でのカウンセリングや、YouTubeインスタでこころの健康の大切さをSNSで発信しています。よろしければフォローをお願いします。

子どもが頭痛を訴えて学校に行きたがらない…この悩みは不登校の子どもを抱える家族が多く抱えている悩みだと思います。子どもが頭痛を訴えてきたときに、親としてはどのように対応していけばよいのでしょうか。

今回の記事では、学校の欠席につながる頭痛の特徴からその対応についてお伝えしたいと思います。

学校の欠席につながる頭痛の特徴 (藤田,2023)

まず、学校の欠席につながりやすい頭痛の7つの特徴をご覧ください。いくつ当てはまりますか?これらが当てはまる時、不登校が改善しにくい状況になっていると思います。

  1. 平日朝に頭痛の訴えが多い
  2. 頭痛の治療薬が効きにくい、効かない
  3. 昼頃よくなっても遅刻して登校しない
  4. 頭痛で寝転がっていてもスマホやゲームの画面は見られる
  5. 夕方には頭痛が軽快するが、学校のある翌日には頭痛が悪化する
  6. 吐き気、嘔吐などは伴わず、食欲は普通
  7. 昼間で寝ていて、夜寝つけず昼夜逆転になることがある

不登校になる頭痛は薬が効かない

いかがでしたか?いくつ当てはまりましたでしょうか。

お母さんとカウンセリングをしていると、「頭痛がするって訴えるので、病院で薬をもらって飲んでも、効いてない感じなんです。」と訴えられます。

また、登校するタイミングだけに頭痛を訴えていて、それ以外のときにはわりと普通だし、また本人も「明日は行く」と話すこともあるし、本人もその気なので、結果的に何回も約束が破られていく感じになります。

こうなってしまうと、どんどん信頼関係が悪化していきます。解決する努力が裏目にでることで、悪循環していくことになります。

薬が効かない頭痛をどう伝えるか

このような頭痛を慢性連日性頭痛と呼んでいます。

薬が効かないことをカウンセラーに不満として語られることがよくあります。そのため、薬が効かない頭痛を説明する必要に迫られます。うまく説明しないと、医療や病院に対する不満につながりかねません。

まず、薬の効く頭痛と効かない頭痛があることを説明します。薬の効く頭痛は、いわゆる片頭痛と言われているもので、今回のように登校時に起きる頭痛とは異なり、不定期に起きるものです。

この薬の効かない頭痛は、痛みと付き合いながら改善していくもので、心の成長によって軽減していくものなんですと説明します。

軽減するための方法とは

頭痛の改善に必要なものは、まず頭痛が学校に行きたいくない気持ちを代弁してるということを理解することです。心理カウンセリングによって今ある学校に行きにくくさせている状況を理解していくことが必要となります。

心理カウンセラーは、子どもの目線に立って何を感じてつらい思いを感じているのかをカウンセリングの中でゆっくり解きほぐしていく必要があるのです。

親ができること、してはいけないこと

ここで大切なことは、こどもにその理由を尋ねても意味がないということです。

なぜなら、言葉で説明できていれば、わざわざ頭痛という痛みで代弁する必要がないからです。

その時に親としては、出来ていないことに注目するのではなく、「これまでよく頑張れていること」「しんどかったこと」「辛かったこと」に優しく支持的に声かけをしてあげることが大切になります。

記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

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また次の記事でお会いしましょう!

*病気の診断は医師による診察が必要です。自分での判断は避けるようにしてください。また、心理カウンセラーが疾患を診断することはできませんのでご注意ください。

常葉大学(静岡県)准教授 博士(教育学)公認心理師臨床心理士

常葉大学(浜松)健康プロデュース学部心身マネジメント学科/常葉大学大学院健康科学研究科臨床心理学専攻 准教授。立命館大学/武庫川女子大学・大学院非常勤講師。働く人と家庭のメンタルヘルス・ストレス・トラウマが専門。働くみなさんにこころの健康の大切さを伝えるために、誰でもわかりやすい心理学をYouTube・Instagramで発信しています。

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