【神戸市中央区】ハンドメイドの新しい世界をのぞいてみよう@THE CLASS KOBE 美術館
先月、兵庫県立美術館ギャラリー棟3Fで「THE CLASS KOBE美術館」(外部リンク)が開催されました。今、ハンドメイドがアートのひとつとして捉えられ、注目を浴びています。そんなハンドメイドアートの世界をのぞいてみましょう。
国際パールマイスター協会
様々な作品が展示される中、今回注目したのは、真珠のハンドメイド。以前の記事(【神戸市中央区】真珠の輸出世界シェア7割!「真珠と神戸」の「歴史と魅力」)にも書いたように、真珠と神戸の関係は特別です。
国際パールマイスター協会(外部リンク)は、真珠の街・神戸から誕生した本真珠「あこや真珠」の歴史や背景、真珠の目利きや様々な作品制作などプロの技法を学べる、世界初のアカデミーです。代表・渡邉美世さんは、日本の宝である「あこや真珠」の素晴らしさや可能性をより多くの人に知ってもらうきっかけのひとつになればとおっしゃっていました。
ブースでは、枠の中いっぱいに貴重なベビーパールが広げられ、実際に触れたり、撰別の様子を見たり解説を聞いたりすることができました。横に置かれているのは、購入特典のパールガチャです。
presangrey 月工房~yuekobo~
国際パールマイスター協会のブースでパール愛を熱く語ってくださったのは、神戸を活動拠点とする新免昌美(外部リンク)さん。愛情の象徴ともいわれる真珠に、古来よりお守りとしても多く使われてきたトルコ石を合わせた作品など、感性が光る作品の数々が展示されていました。
真珠のネックレスは、ただ糸を通しているだけのように見えてそうではありません。作品の中には、真珠同士の間に、小さな結び目がつくられているものもあり、連がしなやかに動くことで、首まわりにしっくり収まるのだそうです。ぜひ手に取ってつけてみて欲しいとおっしゃっていました。
レザーに真珠を合わせた作品、ブートニエールは、男性のジャケットの襟にあるボタンホールに飾る花束で、これひとつでとてもオシャレになります。もちろん女性が身につけても素敵ですが、最近はパールアクセサリーを男性がつけることも流行っていて「パール男子」と呼ばれているそうですよ。
また、2019年夏にアコヤガイが突然大量死したことで、真珠業界は壊滅的な打撃を受けました。真珠で作品を作ることで「応援したい」という想いもあるそうです。
琵琶湖パール
昨年、国際パールマイスター協会で新講座「琵琶湖パールマイスター」が開講されました。1970年後半から、琵琶湖の水質悪化など環境変化が理由でイケチョウガイが育たず、琵琶湖パールの生産量は激減。しかし、ひとつひとつ違う個性的な色や形はとても魅力的で、そんな琵琶湖パールの認知度を上げようと、この講座が作られました。
実は、神戸市民の使う水の約4分の3は、琵琶湖から流れ出す淀川の水です。つまり、琵琶湖パールのファンを増やすことは、琵琶湖の環境を整え、私たちの生活を守ることでもあるのです。この作品展でも、様々な琵琶湖パールの作品が展示されていました。
認定講師
今回の作品展では、協会として新免さん含め5名の作家作品を出展されていました。その他の作品も、ぜひインスタグラムからご覧ください。
- 奥山弓子先生(外部リンク)(滋賀県守山市)
- 齋藤佐千子先生(外部リンク)(東京都)
- 坂口晶惠先生(外部リンク)(滋賀県大津市)
- 新免昌美先生(外部リンク)(神戸市)
- 田中あおい先生(外部リンク)(東京都)
ハンドメイドをアートの世界へ
ハンドメイドといえば、最近は誰でも気軽に趣味の域を超えて活動できるようになった一方で「所詮、手芸や裁縫でしょ」という風潮があるのも現実です。そんな業界に一石を投じることとなったクラス神戸の展示会場には、クオリティの高い作品が展示されていました。出展は、アートと呼ぶにふさわしいレベルでオリジナル作品を手掛けている作家に絞られているそうです。同じ会場に、画家などの新進気鋭な芸術家も作品を並べ、ハンドメイドとアートを同等に扱った作品展となっています。
その他のブース作品(一部)
この他の出展作家は、イベントHPの登録作家ページ(外部リンク)よりご覧いただけます。
今回の作品展で、ハンドメイドのイメージは変わった…というより、広がったような気がします。無意識にアートとは別物という認識だったものが、境目のない大きなくくりで同じだという感じです。この中から、年月を経て、伝統工芸と呼ばれるようになるものがあるのかもしれません。この記事では真珠のハンドメイドアートを取り上げましたが、他にもじっくり紹介したい作品が沢山ありました。ハンドメイド作品が好きな人にも、創ることが好きな人にも、新しい世界観が伝わったでしょうか。
以上リポートは
MCのB面:新米ライター・YUKOでした!