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【板橋区】「野菜不足さん」ほど野菜をおいしく食べられるのでは?という説が、このカフェで生まれた。

名月子店(めいげつこてん)板橋を「歩いて、撮って、書く」ライター(東京都板橋区)

野菜を心から「おいしい!」と思いながら食べること
野菜で身体が満たされる感覚

これがいかに幸せなことか、「野菜不足さん」の筆者は気づきました。

看板のデザインがおしゃれ。
看板のデザインがおしゃれ。

こんにちは。地域情報ライターの名月子店(めいげつこてん)です。

今回ご紹介するのは「cafe月ノ農(ツキノミノリ)」。都営三田線「志村坂上駅」から徒歩2分、城山通りを入るとすぐ見えてきます。

店内はカウンター席、テーブル席ともに広々とくつろげる空間。

あの猫の絵、どこかで見たような…
あの猫の絵、どこかで見たような…

カウンターには、お店で使っている野菜や調味料の情報、料理雑誌などが置かれています。そして、笑顔が素敵な店主がニコニコしながらお話してくれます。

メニューはこちら!
メニューはこちら!

「cafe月ノ農」では、ワンプレートランチ・ディナーが楽しめます(ディナーは予約制)。栄養たっぷりの新鮮な「産地直送野菜」を、こだわりの味付けでいただけますよ。

軽食にはトーストやサンド、焼き芋などがあります。種類が豊富…!あるお客さんのおすすめは「甘酒トースト」。どんな味か気になります。

たんぱく質をプラスしたい方は、「濃厚!海草卵の温泉たまご」がおすすめ。鶏の飼料に海草を混ぜることで、黄身の色が濃くなり、味も濃厚になるんだとか。

一口で身体がほっこり。蒸しみかん

アツアツなのでゆっくりゆっくりいただきます。
アツアツなのでゆっくりゆっくりいただきます。

食前に、蒸しみかんをいただきました。

「焼きみかんよりも蒸した方が甘くジューシーになる!」と、店主が発見したそう。

一房食べた瞬間に、身体が芯からほっこりあたかくなりました。甘さがギュッと詰まっていて、果汁が喉を伝っていく感覚…!幸せです。

「みかんの町」三重県御浜町の「野々下農園」さんで作られた、特別栽培品のみかんです。東京にはあまり出回らないレアな種類。

野菜を愛する店主が丁寧に作った「ディナープレート」

かぶの味噌のせ(画像左)もいただきます。
かぶの味噌のせ(画像左)もいただきます。

色鮮やかでいい香り!ディナープレート、到着しました。

以前直売所で野菜を販売していた店主は、お野菜のプロフェッショナル!その知識も愛も格別です。

店主と話していると、一つ一つの野菜に「物語」があるとわかりました。

その物語を、味とともにお伝えします。

ごはん

ごはんは玄米(茨城県産の特別栽培米「コシヒカリ」と「ミルキークイーン」を店主が独自に配合した、オリジナル玄米)と、北海道産の「えりも小豆」を一緒に炊いて、一晩寝かせたもの。

そうすると小豆から酵素が出て、玄米のおいしさを引き立てるのだとか。お赤飯のように鮮やかな色ですね。食感はもちもちで、ほんのり甘い

驚いたのは、これから紹介するどの野菜たちとも、このごはんが合うということ!

「野菜は野菜、ごはんはごはん。」と食べ分けてきた筆者には、脳に「ビビッ!」と衝撃が走りました。

店主が時間をかけて研究を重ねた「月ノ農クオリティ」のごはんです。

ぶなしめじ

噛めば噛むほど旨味があふれだしてくるぶなしめじ。

弾力があり、ほどよい噛みごたえ。

長ネギ

有機栽培の長ネギ。香ばしい香り。

柔らかくて食べやすく、ほんのり甘いです。

玉ねぎ

淡路島の「ホリコファーム」さんの玉ねぎ。ターザンという品種です。ゆっくりと加熱されているので甘みが際立って、噛むのが楽しい…!

玉ねぎ嫌いのお子さんも、「この玉ねぎなら好き!」と喜んで食べたそうです。

ごぼう

ごぼうスティックは香りが上品で、シャキシャキ食感。

「野菜の一番おいしい食感」を保ったまま調理できる店主、すごいです。

ビーツ

無農薬栽培のビーツ。

ビーツは「土臭い味」と言われることもありますが、「cafe月ノ農」のビーツは甘味と旨味を強く感じました。

紅はるか(寝かせ焼き芋のスライス)

店内には「店主が野菜を愛でる棚」(!?)があるのですが、そこで何か月もかけて熟成されたのがこの紅はるか。甘々で、皮までしっとりですよ♪

「cafe月ノ農」の紅はるかを使った「寝かせ焼き芋」は、「板橋のいっぴん」に選ばれています。こちらは記事の後半でご紹介。

菊芋

無農薬の自然栽培で、皮まで安心して食べられる菊芋のソテー。

菊芋は生でも食べられますが、焼くと甘味が増します。歯ごたえもよく、クセになります。

実は2021年頃から話題の菊芋。そのわけは、店主が公式インスタグラムにて解説してくれていますよ♪

白菜

店主が目利きした、大玉の白菜。

白から黄色の中間くらい(まさに画像のような色!)が、鮮度もよくて柔らかいそう。そして甘味が強い!レモンとの相性も抜群です。

人参

店主が見せてくれた、調理前の人参。土が付いているのが「産地直送」って感じでいいですよね。
店主が見せてくれた、調理前の人参。土が付いているのが「産地直送」って感じでいいですよね。

人参は、群馬県太田市の自然栽培「ベジーオーガニック」さんのもの。

無農薬・無肥料で育てられた人参です。

食べてみると、皮つきなのに、皮が残る感じがありません。焼くことで旨みが凝縮されていて、甘く濃い味でした。

ターサイ

調理前のターサイ。帽子のような、座布団のような…
調理前のターサイ。帽子のような、座布団のような…

ターサイって、スーパーではなかなか見かけないですよね。

今が旬の青菜なんですよ。加熱することで甘味が引き出され、クセもなく食べやすいです。

店主がターサイをちぎるところを見ていたのですが、いくらちぎられても、存在感たっぷりのままでした。アブラナの仲間なので、育つと菜の花が咲くのだそうです!

レッドムーン

「レッドムーン(完全体)見たい…!」と言うと、店主が洗って持ってきてくれました(ありがとうございます)。
「レッドムーン(完全体)見たい…!」と言うと、店主が洗って持ってきてくれました(ありがとうございます)。

正直、サツマイモかと思いました

このレッドムーン、じゃがいもの品種。その名の通り、赤い皮が特徴的です。中の色もサツマイモと似ています。

ほんのり甘く、ホクホク・ねっとり食感です。芋好きの筆者にはたまらない…!

ディナープレート、ゆっくり食べたつもりでしたが、完食まで30分も経っていないと思います。

野菜そのものの味って意外と知らないんだなと思いながら、それを今、知ることができている喜びを感じました。

Day2(?)「ランチプレート」

あれから2日後…

再び「野菜チャージ」をするために、来店!

来店のスパン短くない?と思われた方もいらっしゃると思います。

仕方ありません。「cafe月ノ農」のお野菜、筆者の心に残る味だったんです。店主との会話も楽しく、「また食べたい、また会いたい」と思い、来てしまいました。

「cafe月ノ農」のワンプレートは、野菜の入荷状況に合わせ、旬の美味しい野菜で構成されています。いわゆる「店主におまかせアラカルト」

その一皿には「毎日来ても飽きないように」という、お客さんに対する優しさもこめられています。

新しい食材が!
新しい食材が!

こんにゃく

筆者「こないだはこんにゃくなかったですね。楽しみです!」

店主「こんにゃく、プリップリですよ」

筆者「ほんとだ、プリップリ!しかも肉厚~!」

シルクスイート(画像左は「紅はるか」)

シルクスイートは最近人気急上昇中の、まだ新しい品種です。

その名の通り、シルクのようになめらかで口当たりがよく、しっとりしています。甘味は申し分なく「スイート」です。

里芋

ねっとり、濃厚な食感の里芋。

茨城県阿見町の里芋農家さんが育てたもの(詳しくはこちら)。

ゆっくり口の中でとけていき、飲み込むのが惜しかったです。

大根しみしみ

大根の煮物もいただきました。味がしみこんでいてうっとりします。それでいて、甘さも引き立っていました。

店主に「とっても優しい味付けですね!」と言うと…

「調味料は醤油、みりん、クリスマス島の塩。料理酒は使わないんですよ。」

とのこと。

シンプルな味付けにこだわる店主は、調味料も時間をかけて選んでいます。

ごぼう茶

店主の気まぐれブレンドのコーヒーや、よもぎ茶などもありますよ。
店主の気まぐれブレンドのコーヒーや、よもぎ茶などもありますよ。

食後にごぼう茶。ごぼうの優しい香りが心地良いです。

ほっこりあたたまり、次の日はお通じが良くなりました。

一振りで、味が変わる。「クリスマス島の塩」って?

「クリスマス島」はキリバス共和国にある、人口約3200人の小さな島。
「クリスマス島」はキリバス共和国にある、人口約3200人の小さな島。

ここまでお読みいただいた皆さんはお気づきかもしれませんが、プレートの食材すべて「甘い」んです。野菜本来の「甘さ」「香り」「食感」が楽しめる「cafe月ノ農」。一体どんな味付けをしているのでしょう?

その答えが「クリスマス島の塩」です。

栄養豊富な深層水が大量に湧き上がるといわれている「キリバス」の海は、今では希少な海域なのだそう。

その海域の塩田で作られた、完全天然日干の「クリスマス島の塩」。かつて日本の伝統料理を支えてきた「真塩(ましお)」といわれる高級塩の再来ともいわれているのだとか。

海に含まれるあらゆるミネラルが凝縮された「クリスマス島の塩」は、野菜のそのままの味をより引き立てます。

野菜を「塩味」にするのではなく、「野菜本来の味」にする塩があることに、感動しました。

「たかが塩、されど塩」ですね。

「cafe月ノ農」のこだわりはまだまだ!

●低温スチーミング
100度以下で低温蒸しする調理法。ほとんどの野菜はこの方法で調理されているそう。
野菜の栄養素が逃げず、食感も形も残るため、美味しさが伝わりやすい!
●産地直送
店主に「これおいしいですね!」と言うと、すぐに生産者さんのことを教えてくれます。産地直送だから、お野菜も、作った人の思いも、大切にしている店主。
●テーブルに調味料を置かない
いいえ、置く必要がないんだと思います。素材の味を生かす、シンプルな味付けで十分。
「追加で味を付けたい」とは一度も思いませんでした。

日本全国の農家さんが心を込めて作った野菜を、野菜を愛する店主が、そのままの味を生かして調理してくれる「cafe月ノ農」。

いかがでしたか?

野菜不足じゃなかったら、こんなに野菜を「おいしい!」と思えなかったかもしれない。

そう思います。

すべてのお野菜が身体に染み渡る感覚がありました。心を込めて野菜を育てること、調理すること、それは野菜本来の味をより引き出してあげることなのだという、新たな発見も。

その味を心から「おいしい!」と思えることが幸せでした。

「野菜はいつも『ドレッシング味』で食べてるなぁ」
「野菜嫌いの子どもがいて困ってる…」
「お野菜もスイーツもおいしいお店、探してる」

そんな方へ。「cafe月ノ農」、おすすめですよ。

【大好き】板橋のいっぴん「寝かせ焼き芋」

「板橋のいっぴん」選ばれた、「寝かせ焼きいも」

このように専用の壺でじっくりと焼いています。

そして寝かせることで、甘さが最高潮になり、しっとり感も増すそうです。焼きたてでも、冷やしても、おいしくいただけますよ。

宇部フィルム株式会社の「NEWポリラップ」
宇部フィルム株式会社の「NEWポリラップ」

レンジで温めて食べられるように、ラップで包んで販売されています。

このラップは無添加で、焼き芋を安全に、鮮度のよい状態に保ちます。

「寝かせ焼き芋」、皮までおいしく食べることができるので、店主は包装用材にもこだわっているんです。

これが寝かせ焼き芋か~!
これが寝かせ焼き芋か~!

「半分は帰ったらすぐ、もう半分は明日の朝。」

そう決めていました。

店主が「寝かせ焼き芋は朝ごはんにもおすすめですよ。バターを乗せても絶品。」と教えてくれたからです。

でもダメでした。

この写真を撮った後、一瞬にして一本まるごと胃の中に消えていました。

割った瞬間、あまりの柔らかさに驚きました。しっとりすぎて溶けていきそうな感じです。そして、極上の甘さ。忘れられない味です。

「店主が野菜を愛でる棚」(本当にあるんです)。ここで何か月も熟成され(愛でられ)ます。
「店主が野菜を愛でる棚」(本当にあるんです)。ここで何か月も熟成され(愛でられ)ます。

店内販売品も人気ですよ!

「cafe月ノ農」のお野菜は、お店で購入することができます。お店で食べて気に入った食材を探してみてもいいかもしれませんね。

人との出会いを大切にされている店主が、こだわって選んだ野菜たち。

皆さんの食卓にもお迎えしてみてはいかがでしょう。

いただいた「ごぼう茶」も販売されていました。
いただいた「ごぼう茶」も販売されていました。

「cafe 月ノ農」店舗情報

●住所
〒174-0056
東京都板橋区志村2丁目2−1 宮島ビル 1階
●TEL:03-6768-5558
●営業時間
10:00~21:00
※ディナーは事前の完全予約制、予約がない場合は閉店
●定休日
月曜日
●公式SNS
こだわりの食材の紹介やお店のイベント告知、出店情報、お客さんとの交流などについて、積極的に発信されています。
公式インスタグラム
公式Twitter
公式フェイスブック

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板橋を「歩いて、撮って、書く」ライター(東京都板橋区)

板橋に住んでもうすぐ1年の、「板橋初心者生活」を楽しむライターです。板橋に昔から住んでいる人と、今日から暮らし始めた人との「笑顔の交流」をコンセプトに、板橋という「地元」をもっと楽しめるような情報をお届けします。内容のジャンルはグルメ、お出かけスポット、憩いの場所などさまざま。

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