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【水戸市】上生菓子・練り切りからお団子・水羊羹・お饅頭まで!親子2代でのれんを守る貴重な和菓子屋さん

かごマルシェWebライター(水戸市)

こんにちは〜、かごマルシェです!

私は、和菓子が好きで、上生菓子、特に練り切りが大好きです。お抹茶と合わせて、おやつに頂くと、心がほっこりします。

しかし、練り切りを作っている和菓子屋さんは少なく、寂しいなぁ、と思っていたら、発見!たまたま、遠くのスーパーを訪れた時に、偶然見つけ、入ってみたら、練り切りが!

一つ買って帰って、いただいたら、とっても美味しかったのです♫

そこで後日、再訪しました。

ひっそりと佇むので、気づかない方も多いそう
ひっそりと佇むので、気づかない方も多いそう

千波町にある保健センター近く、スーパーセイブのお隣にある「いそや製菓」。

町の方に愛される和菓子屋さんですが、実は、多くのお茶の先生に愛されるお店なのです。遠くは鹿島や日立、笠間や城里町から、先生が来店されるとのこと。

店内のようす

お店は、ガラスケースにたくさんの和菓子が並びます。

練り切りは5種類も。どれも美しく、選ぶのに迷います。

今の季節の花
今の季節の花

2週間前は、青と緑。今は緑と白。葉の色の移り変わりで季節を表している
2週間前は、青と緑。今は緑と白。葉の色の移り変わりで季節を表している

蛇の目傘は雨の季節ならでは
蛇の目傘は雨の季節ならでは

これからの季節を代表する花
これからの季節を代表する花

季節を少し先取り
季節を少し先取り

練り切りは、暑さに弱いので、気温30度を越えてきたら、販売を停止するそう。9月半ばにはまた再開するそうです。

練り切りに代わって、これからの季節は「こなし」という、餡(あん)に粉をそのまま入れて混ぜ、蒸し上げた生地を使った菓子が登場します。

また、寒天と砂糖や水あめを煮溶かし、型に入れて固めた「錦玉羹(きんぎょくかん)」もお目見え。涼しげなお菓子が並ぶとのことです。

通常商品には、他にお団子、お饅頭。わらびもち、水羊羹、鮎のお菓子は季節限定です。

あん と みたらし
あん と みたらし

わらび餅も涼しげ
わらび餅も涼しげ

やっぱり今の季節は水羊羹かな
やっぱり今の季節は水羊羹かな

鮎も今の季節を表す和菓子
鮎も今の季節を表す和菓子

お店の歴史

初代は大工町の「あさ川製菓」に丁稚奉公として入り、製菓の専門部で腕を磨き、工場長まで務められたそうです。

その後、独立され、50年程前にお店を出され、今の地に移って45年程、親子2代でのれんを守ります。

専門部で働いていたこともあり、練り切りなどの上生菓子がお得意とのこと。その練り切りを求めて、遠方よりお茶の先生がお越しになられます。

先生方は、月3回のお茶のお稽古に、毎回違うお菓子を出される場合が多いため、月2回のペースで上生菓子の品目を変え、5種類を2回、月10種類店頭に並ぶようにしているそうです。

茶道の流派により「このお菓子でなくてはならない」という決まり事もあり、注文で受けることも多いそう。「このようなお菓子を作ってほしい。」と写真を持参される先生もいらっしゃり、相談しながら作り上げていくとのことでした。上生菓子は、1時間に30個作るのが限界とのこと。丁寧に一つずつ手で作るからこそ、あのような美しいお菓子が生まれるのですね。

大きなお茶会では、お菓子を、お花や帯に合わせて注文を受けることもあるそう。お茶の先生の元に試作品をお持ちして、意見を聞いて改良を重ね、を繰り返し、ご自身が成長されていったとのこと。「先生方に育てていただいた。」と何度も感謝を口にする2代目のお言葉を聞いて、お客様と職人との素晴らしい信頼関係が築かれているのだな、と胸が熱くなりました。

2代目の思い

餡に特にこだわりを持っており、小豆は北海道産100%。粒が小さいため、皮が薄く、舌触りが良くなるそう。

また、団子は茨城産のお米を100%使って作っています。

粉などの材料も、全て国産を使っているとのこと。国産を使わないと、日本の農家が育ててくれなくなり、いずれ製菓の材料を作ってくれる農家自体も消滅してしまうとの危機もあるそうです。

職人さんが農家を支えており、このような美味しい和菓子と、美しい和の文化が継承されて行きます。私もお客さんとして、微力ながら和菓子店を支えたいと思いました。

家にておやつ

種類がたくさんあって悩みましたが、買って帰り、おやつにいただきました。

練り切り(紫陽花)

薄紫と薄紅色のお花が上品
薄紫と薄紅色のお花が上品

色の付いたそぼろ状の練り切りを、餡にまとわせています。2輪のお花がかわいらしく、とても上品です。さらっとした餡、練り切りの程よい甘さがお茶の美味しさも引き立てます。

お抹茶ととても良く合います
お抹茶ととても良く合います

お抹茶をたて、練り切りを隣に置くと、もうそれだけでお茶席に招かれたような気分。実は、お茶をたてるのはとっても簡単。茶筅(ちゃせん)という、竹を細かく割いて放射状にした道具一つで立てることができます。敷居が低く、和の文化を楽しめるので、おすすめ。

茶筅一つあると、お抹茶が気軽にたてられます
茶筅一つあると、お抹茶が気軽にたてられます

水羊羹

夏といったら、水羊羹ですね!私は、実は、「こし餡」よりも「粒あん」派なのですが、やっぱり水羊羹は、こし餡のサラッとした口溶けを楽しみたくなります。餡の旨さが、一番ダイレクトに感じられ、冷やして食べたら、暑さを忘れてしまう一品です。

夏はやっぱり水羊羹!
夏はやっぱり水羊羹!

麦茶も合います。

麦茶の香ばしさとも相性良し
麦茶の香ばしさとも相性良し

団子(みたらし)

茨城産の米100%で作られていて、適度な弾力があり、米本来の味がします。みたらしの甘じょっぱさが、お茶請けにピッタリ。小ぶりなので、あんこ味も買えばよかったかなぁ。

昔ながらの安心する味 照りもよし
昔ながらの安心する味 照りもよし

跳ね鮎(求肥)

初夏から和菓子店では目にする鮎。夏が来たな、と和菓子店で季節を感じることができるお菓子です。こちらのお店では9月頃まで販売しているとのこと。求肥と白餡の2種類があります。

包装もまるで川を泳いでいるよう 涼しげです
包装もまるで川を泳いでいるよう 涼しげです

笹をイメージしたお皿が、偶然、川のように見える!
笹をイメージしたお皿が、偶然、川のように見える!

割ると求肥が
割ると求肥が

程よい甘さのモチっとした求肥と、お魚の形にお子さんも喜びそう!食べるのが勿体無いかな?

その他

みなさん、店内のお菓子の木型にはお気付きですか?

実はこれ、もう、数十年前に閉めてしまった和菓子屋さんから、木型を譲り受けたそう。なんと江戸時代からの木型もあるとか。桜の木で作ってあり、硬く丈夫なため、現在でも壊れていないとか。

今でも、注文があると、「打ち菓子」という、穀物の粉に砂糖を混ぜ、木型に入れて型から出し、蒸気を当てて乾燥させる干菓子も作るそう。

法事やお祝い事などに使われ、「孫のために自分が食べたことがあるものを」と鯛の型で注文されるご年配のお客様もいらっしゃるとか。このように、伝統が受け継がれていくことを大事にしていきたいですね。

たくさんの木型が ディスプレイとしても美しい
たくさんの木型が ディスプレイとしても美しい

江戸時代の木型 おめでたい
江戸時代の木型 おめでたい

みなさんの住んでいる街にも、もしかしたら、このような和菓子店の名店があるかもしれません。お散歩がてら、素敵なお店を発見してみてくださいね!

店舗情報


※ 価格は取材当時のものになります。

Webライター(水戸市)

歴史のある街、水戸市に住んで10年。おいしいもの大好き、お出かけも大好き♪自分のアンテナにとまったお店、気になるスポット、新しくオープンした場所などを発信していきます!「次の休みに行ってみたいな♪」と思っていただける記事を書いていきたいです。よろしくお願いしま~す(^ ^)

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