【4月1日廃止】板張りホームと木造待合室の秘境駅 留萌本線 真布駅
前回の記事に引き続き、今回から留萌本線の廃止予定駅を紹介していこう。まずは石狩沼田から一駅目の真布駅。雨竜郡沼田町の田園地帯の中にある駅で、周囲に人家が少ないことから、鉄道ファンには「秘境駅」として知られている。駅名はアイヌ語の「シルトルマップ(山の間の川)」に由来するという説がある。
昭和31(1956)年3月1日に真布仮乗降場として開業。昭和62(1987)年4月1日に正式な駅に昇格した。ここで「仮乗降場」について説明しておこう。仮乗降場とは国鉄時代に存在した駅の形態の一つで、国鉄本社ではなく地元の鉄道管理局(今のJRの各支社にあたる)の判断で設置された非公式な駅である。国鉄本社の認可を得た正式な駅では無いため全国時刻表には掲載されず、道内時刻表のみに掲載されていた。正式な駅と比べると駅の設備も簡素で、ホームも板張りのものが多い。真布駅のホームも板張りの簡素なもので、仮乗降場らしい特徴を備えている。仮乗降場の場合、営業キロが設定されなかったので、例えば深川駅から真布仮乗降場まで利用する場合、運賃は一駅先の恵比島駅まで支払わなければならなかった。
板張りのホームに接して待合室があるが、年季の入った木造のもので、どこか懐かしい雰囲気だ。お世辞にも清潔とは言えないが、これもまた味と割り切ろう。外観写真を見てもわかるように屋根は急傾斜の片流れ屋根だが、これは雪が積もらないようにするためだろう。
真布駅はまもなく67年に渡る歴史に幕を下ろす。廃止後の処置についてはまだ発表されていない。営業最終日には真布駅でもペンライトを手に最終列車を見送るイベントが開かれるということだ。