故エリザベス女王も愛したフィリグリー!小学生がコンテストでデザイン考案【神戸市中央区】
絶滅危惧にある世界の伝統工芸技術のひとつ「フィリグリー」は、非常に細い銀線から職人の手によって生み出され、私たちを魅了しています。老若男女が足を止めた10月末に開催された、神戸大丸での展示会をご紹介します。
銀線細工・フィリグリー展
子どもたちの作品から学ぶ平和のこころ
今年8 月「Himeji SDGs EXPO 2022」フィリグリージャパンのブースで募集された「未来のデザイナーコンテスト」の優秀作品発表が、このフィリグリー展で行われました。
子どもたちの自由な発想で描かれた作品は、どれも甲乙つけ難いものばかりだったそうです。繊細につくり込まれるフィリグリーをデザインすることは難しかったと思いますが、最優秀作品に選ばれたデザイン「花束」が表すものは、フィリグリーの神髄とのこと。
花束は、贈ると笑顔が生まれ、言語に関わらず世界の人々の心を繋ぐことができます。何気なく過ごしている日常の中で、子どもたちのフィリグリーデザインを通して平和を考えるきっかけになりました。
今、世界情勢により純度の高い銀が手に入らず、新たな作品を作ることができない産地があると聞いて、胸が痛みました。数千年の歴史の中、多くの苦境を乗り越え今を生きるフィリグリーが、傷ついた人を癒し、混乱を沈め、平和な未来を願うものであって欲しいと思います。
気軽に身につけられる芸術品
故エリザベス女王の愛するジュエリーコレクションの中には、フィリグリーのブローチも含まれていて、その影響もあってか、いつも以上にブローチが人気で、特に個性的な大ぶりのデザインに注目が集まったそうです。私の行った最終日は、既に多くの人に購入され旅立った後でした。
フィリグリーのブローチのいくつかには、ある工夫が施されています。チェーンが通せるように作られているものは、ペンダントトップにしてぶら下げることができ、さらにボタンや名札に引っ掛けてチェーンを垂らせば、可愛いお花のブローチをかっこよく身につけることができます。
その他にも、パーツが揺れるイヤリングが素敵でしたが、この裏側にもこだわりを見つけました。耳を優しく挟み込める形状の留め具で全く痛くなく、さらに取り外しを忘れそうなくらいの軽さです。デザインだけではなく、実用的にも優れた工夫が凝らされています。
パワーストーンとフィリグリー
デザインに込められた意味が深いフィリグリーですが、パドロックデザインのペンダントには、持ち主をサポートするようにと、パワーストーンがあしらわれています。エメラルド、ルビー、ホワイトサファイア、イエローサファイア、ブラックダイヤモンドの中から選べます。
選び方のひとつに、陰陽五行説や四柱推命を用いて、その人に足りない色を身につけるという方法があります。私も見てもらったところ「水」の気質の持ち主で「金」と「土」が足りないので、白色と金色、特に白色がおすすめとのことでした。
白色の宝石、ホワイトサファイアは「目標を達成する」「多くの知識を得る」と言われています。私が欲しいと思うものにピッタリと当てはまっていることに驚いたと同時に、そんな風にジュエリーを選んだことはなかったので、面白かったです。
日本で唯一トップクラスの工房と契約をしているフィリグリージャパンの作品は、今後関西を中心に全国の百貨店を巡り、神戸大丸でまたお目にかかれる機会も遠くないようです。今回は「お気に入りを見つける雑貨展」として、他にも手仕事で作られた繊細で素敵な作品が展示されていました。
百貨店はハイブランドジュエリーだけでなく、全国、全世界の様々な作品を手に取って見て買うことができ、このような企画展が週替わり、月替わりで開催されています。普段百貨店に行かない方も、お気に入りの一品を求めて、覗いてみてはいかがでしょうか。