【大阪・谷町四丁目】「人類みな麺類」の元店長がプロデュースした新店で食べるうどんのようなだしラーメン

高田強

編集者・ライター・広告ディレクター（大阪市）

2022/6/8(水) 16:01

うどんを思わせるだし感のあるスープと大きな油揚げが特徴！

　こちらがこはく堂+とり天1,000円。

　透明感のある琥珀色のスープは、鰹節、昆布などがメインの魚介系。ファーストインパクトは、「人類みな麺類」譲りかなと思わせる香ばしい醤油の味わい。そのあとにうどんのようなしっかりとした強いだしの味を感じます。そこに油分をきかせることでラーメンらしいまとまりに。

　風味のいい全粒粉麺は、中太平打ちで少し縮れ気味のストレート。水分多めな多加水麺タイプなのでつやつやしています。同時にぶるぶるとした心地よい弾力ともっちり感があるのですが、そのヒミツは白玉粉を練り込んでいるからだとか。食べ応えもあり、スープとよく合っています。

　薄くスライスされた肩ロースの大判チャーシューはしっとり。必要以上に醤油味などを付けていないので、だしの味を邪魔せず肉の旨みをしっかり感じることができます。

　メンマは、やわらかい穂先メンマ。

　トマトのマリネはラーメン全体を華やかにしますし、酸味と同時に甘味もありアクセントとしていい仕事をしています。

　そして、トマトや青ねぎの下にあったのが大きな油揚げ。

　だしがしっかりしたスープなので、まるできつねうどん？となりそうですが、うどんのお揚げさんほど甘くなく、しかも肉厚なので具材として食べ応えを楽しめます。

　トッピングのとり天は、からっと揚がった薄めの衣パリパリ感と中のもっちりとした胸肉のコントラストが魅力。スープにしっかりつけると食感が変わるので違った味わいを楽しめます。

　味変用に鶏節が用意されているのですが、魚介だしに動物系が加わることで部分的にスープがかなり変化しました。

ほかにはない個性が楽しめるラーメン店！

　うどんのようなだしと油揚げという、おもしろい組み合わせでしたが、しっかりラーメンとしてまとまっていて、楽しく味わえました。また、自家製の全粒粉麺もかなり個性的で好印象。「らーめん久遠」と「本町製麺所中華そば工房」というミシュランガイド掲載ラーメン店が２軒もあるという激戦区の堺筋本町エリアに、今後の動向も含めて気になる店が加わった感じです。